経理・財務

経理の仕事大全|年収・残業・資格を実数で総覧【2026】

この記事でわかること
・経理 仕事の全体像を、テーマごとに「結論+公的統計の実数」で一望できる
・年収は年収換算で約512万円、中央値は月291,100円(賃金構造基本統計調査)
・残業は月8時間だが、この数字が6月分の調査であるという限界
・各テーマを深く知りたいときに、どの記事へ進めばよいか

「経理って、結局どんな仕事で、どのくらいもらえるんでしょうか」

面談でよくいただく質問です。ところが調べ始めると、業務内容・年収・資格・働き方が別々の記事に散らばっていて、全体像がつかめません。

そこで本記事は、経理 仕事の地図として作りました。各テーマについて結論を1行で示し、公的統計の実数を1つ添えます。そして、深掘りしたい方には専門記事への入口を用意しました。まずは全体像から確認してください。

経理の仕事を1枚で把握する

最初に全体像を置きます。以下の表が本記事の目次であり、同時に結論の一覧です。

テーマ 結論 実数
仕事内容日次・月次・年次の3層で回る会計事務従事者は466,030人
年収平均は中央値を上回る年収換算約512万円/中位数 月291,100円
残業平均は短いが山がある超過実労働 月8時間(6月分)
繁忙期法定期限が山を作る年間休日は1企業平均112.4日
資格日商簿記2級が共通の土台2級ネット試験の合格率32.9%
キャリア管理職と専門職に分岐する管理的職業従事者は年収換算約967万円

それでは、ここから各テーマを順に見ていきます。なお本記事は概観に徹しており、掘り下げは各専門記事に委ねています。

経理の仕事とは?会計・財務との違い

経理とは、会社のお金の動きを記録し、正確な数字として管理する仕事です。ただし、似た名前の職種と混同されがちです。そこでまず、その違いから整理しましょう。

職種 扱う時間軸 主な仕事
経理過去取引の記録、決算書の作成、税務対応
財務未来資金調達、資金繰り、投資判断
管理会計現在から未来予算管理、原価計算、経営への数字の提供

つまり三者は地続きでありながら、見ている時間軸が異なります。したがって、求められる能力も変わります。

統計上の「会計事務従事者」は経理と一致しない

公的統計を読むときに、ひとつ注意点があります。厚生労働省の調査で経理に最も近い区分は「会計事務従事者」であり、令和7年賃金構造基本統計調査では466,030人が対象になっています。

ただし総務省「日本標準職業分類」では、この区分に現金出納事務員や預貯金窓口事務員も含まれます。反対に、公認会計士や税理士の専門的業務は含まれません。つまり経理職とぴったり重なる区分ではありません。本記事の数値も、この前提でお読みください。

👉 あわせて読みたい:経理と財務の違いとは?転職市場での評価とキャリア戦略

数字で見る経理という職種

次に、職種としての輪郭を数字で押さえておきましょう。令和7年賃金構造基本統計調査から、規模と構成が読み取れます。

区分 労働者数 平均年齢 年収換算
男女計466,030人44.0歳約512万円
165,110人44.2歳約627万円
300,930人43.9歳約449万円

出典:令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)第1表「会計事務従事者」。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で当社が算出。

まず目を引くのは構成比です。女性が300,930人で、全体の64.6%を占めています。つまり経理は、女性が多数派の職種だといえます。

一方で、年収には差があります。平均年齢はほぼ同じにもかかわらず、男女で約178万円ひらいています。この差の要因は統計からは特定できません。ただし当社の面談では、担当範囲や役職の違いが背景にあると感じる場面が多くあります。

また平均年齢44.0歳という数字も重要です。したがって、30代で転職を考える段階では、まだ職種全体のなかでは若い層にあたります。
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経理の仕事内容|日次・月次・年次の3層

経理の業務は、時間軸で整理すると理解しやすくなります。とくに重要なのは、層が上がるほど期限が厳格になる点です。

代表的な業務 期限の性格
日次記帳、伝票処理、経費精算、入出金確認社内ルール。多少ずらせる
月次月次決算、試算表の作成、予実対比社内の意思決定に間に合わせる必要がある
年次年次決算、法人税・消費税の申告、監査対応法定期限。動かせない

そして、この「動かせない期限」の存在が経理という仕事の性格を決めています。だからこそ、前倒しで進める習慣が評価されます。

👉 あわせて読みたい:経理の仕事内容 完全ガイド|1日の流れと年間業務月次決算のスケジュールと進め方【早期化7つのコツ】

経理の労働時間と残業

働き方は、経理を選ぶかどうかを左右する要素です。そこで、ここも公的統計で確認しましょう。

令和7年賃金構造基本統計調査によると、会計事務従事者の超過実労働時間数は月8時間でした。所定内実労働時間数は159時間です。数字だけ見れば、残業は多くありません。

ただし、この調査は6月分の実績です。つまり3月決算企業の決算対応が終わった直後の月にあたります。したがって、年間で最も忙しい時期は反映されていません。

また企業規模によっても差があります。1,000人以上の企業では月10時間、10〜99人では月5時間でした。規模が大きいほど開示や監査の負荷が増えるためだと考えられます。

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経理の年間スケジュールと繁忙期

残業に山ができるのは、法定期限が特定の月に集中するからです。たとえば3月決算の会社であれば、4月から5月が最大の山になります。

あわせて休日の水準も見ておきましょう。令和7年就労条件総合調査では、年間休日総数の1企業平均は112.4日でした。労働者1人平均では116.6日です。企業規模別では、1,000人以上が117.7日、30〜99人が111.2日となっています。

さらに年次有給休暇についても実数があります。労働者1人平均の付与日数は18.1日、取得日数は12.1日で、取得率は66.9%でした。いずれも昭和59年以降で最も高い水準です。

👉 あわせて読みたい:経理の繁忙期はいつ?年間スケジュールと乗り切り方

経理の年収相場

年収は最も関心の高いテーマでしょう。まずは次の3つの数字を押さえてください。

指標 数値 出典
会計事務従事者の年収換算約512万円令和7年賃金構造基本統計調査
同・所定内給与額の中位数月291,100円同調査 職種第17表
給与所得者全体の平均給与478万円令和6年分 民間給与実態統計調査

ここで注目したいのは、平均と中央値のずれです。中位数は月291,100円ですが、平均は月321,300円でした。つまり高い層が平均を押し上げています。したがって、平均だけを自分の目標にすると実態を見誤ります。

👉 あわせて読みたい:経理の平均年収は?中央値・企業規模別の実数データ経理の年収相場|平均・年代別・役職別データと転職で上げる方法

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経理に必要な資格とスキル

経理は、資格が実務経験の代わりになる数少ない職種です。そのため、とくに未経験の段階では効果が大きくなります。

まず共通の土台は日商簿記2級です。日本商工会議所の公表値では、2025年度のネット試験で141,072名が受験し、合格率は32.9%でした。一方、統一試験の第173回(2026年6月14日)の合格率は15.1%です。同じ級でも方式によって数字が変わります。

資格手当についても実数があります。令和7年就労条件総合調査によると、技能手当や技術(資格)手当などの1人平均支給額は月21,500円、支給企業割合は53.0%でした。

次に実務スキルとしては、会計システムの操作とExcelが基本になります。加えて近年は、業務改善やデータ整備の経験が求人票に並ぶようになりました。

👉 あわせて読みたい:経理の資格ロードマップ|段階別に何をいつ取るか簿記2級は経理転職で本当に武器になるのか?プロが本音で解説転職前に身につけておくべき経理スキル5選

経理の職種とキャリアパス

ひとくちに経理といっても、担当する領域はさまざまです。さらに経験を積むと、道は大きく2つに分かれます。

方向 中身 求められるもの
管理職主任・係長・課長・部長へチーム運営と経営層への説明
専門職連結、開示、税務、管理会計、FP&A特定領域を一人で完結できる深さ

そこで、管理職に進んだ場合の水準も見ておきましょう。令和7年賃金構造基本統計調査では、管理的職業従事者の年収換算は約967万円です。ただし企業規模による差が大きく、1,000人以上では約1,182万円、10〜99人では約724万円でした。

👉 あわせて読みたい:経理のキャリアパス完全解説|CFOを目指す道まで経理課長・部長の年収はいくら?管理職の相場を役職・規模別に解説管理会計ができる経理は転職市場でどれほど評価される?

経理の将来性|自動化が進むなかで残る仕事

「経理はAIに置き換わるのでは」という不安をよく聞きます。たしかに、記帳や入力の自動化は確実に進んでいます。

しかし、自動化されるのは処理であって判断ではありません。出てきた数字が妥当かを検証し、経営に説明する仕事は残ります。むしろ、制度改正への対応や業務設計ができる人の価値は上がっています。

実際、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は、この数年で経理の主要な仕事になりました。つまり制度が変わるたびに、新しい役割が生まれています。

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転職市場で経理はどう評価されるか

そもそも経理は、経験を積むほど転職で有利になる職種です。なぜなら決算・連結・税務といった経験は、どの会社でも通用するからです。

一方で、転職で年収が上がるかどうかは担当範囲によって決まります。同じ「経理3年」でも、月次だけの方と年次決算まで回した方では評価が変わります。したがって、まず自分の担当範囲を棚卸ししてください。

担当範囲の棚卸し表

棚卸しといっても、難しい作業ではありません。次の表で、自分がどこまで「一人で回せるか」に印をつけてください。

領域 確認する問い
月次決算締めから試算表まで、自分で完結できるか
年次決算計算書類の作成に関わったか。それとも一部の科目だけか
税務申告書を作ったのか、税理士へ資料を渡したのか
連結・開示連結パッケージの回収か、精算表の作成か
管理会計予算を作る側か、実績を集計する側か
改善削減した時間を数字で言えるか

とくに最後の行が効きます。近年は求人票に「業務改善」「システム導入」という言葉が増えました。そのため、改善の経験を数字で語れると評価が変わります。

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経理の仕事に関するよくある質問

Q1. 未経験から経理になれますか

可能です。ただし年齢が上がるほど、資格や関連経験の説明が必要になります。まずは日商簿記3級から2級へ進み、応募できる求人を増やすところから始めてください。
👉 あわせて読みたい:20代未経験から経理へ転職できる?成功率を上げる4ステップ

Q2. 経理はきつい仕事ですか

期限が動かせない点が負荷になります。一方で、平均の残業時間は月8時間と短い水準です。つまり「常に忙しい」のではなく、忙しさが特定の時期に集中する仕事だといえます。
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Q3. 経理に向いているのはどんな人ですか

細かい確認を面倒がらない方は向いています。加えて、期限から逆算して段取りを組める方が評価されます。反対に、その場の判断で動くことを好む方には合いにくい面があります。
👉 あわせて読みたい:経理に向いてる人・向いてない人の特徴|適性を見極める7つのポイント

Q4. 中小企業と大手では仕事内容が違いますか

大きく違います。中小企業では一人で幅広く担当し、大手では領域が細かく分かれます。残業も規模で差があり、1,000人以上は月10時間、10〜99人は月5時間でした。
👉 あわせて読みたい:中小企業の経理に転職するメリット・デメリット完全解説大手企業の経理に転職するのは難しい?採用基準と突破戦略

まとめ|経理の仕事は全体像から理解する

経理 仕事の本質は、会社のお金を正確に記録し、経営を数字で支えることです。日次・月次・年次という3層で回り、年次には動かせない法定期限があります。

数字で押さえるなら、年収換算約512万円、中位数は月291,100円、超過実労働時間は月8時間です。ただしいずれも「会計事務従事者」という区分の値であり、残業は6月分の調査であることを忘れないでください。

まずは全体像をつかみ、気になるテーマから専門記事へ進んでください。そのうえで、自分の担当範囲を棚卸しすることをおすすめします。

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執筆・監修:森岡 祐介(LX Career 代表/管理部門特化キャリアアドバイザー)

経理・財務・人事・法務など管理部門に特化した有料職業紹介事業を運営。厚生労働大臣許可番号 27-ユ-305309。上場企業からベンチャーまで、経理職の転職支援と年収交渉を数多く手がける。本記事の統計値は出典と集計単位を本文中に明示し、当社独自の目安と区別して記載しています。

📌 この記事の一次情報源

  1. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第1表(会計事務従事者・管理的職業従事者の所定内実労働時間数、超過実労働時間数、賃金、労働者数)、職種第17表(所定内給与額の分布特性値)
  2. 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第4表(年間休日総数)、第5表(年次有給休暇の取得状況)、第17表・第18表(諸手当)
  3. 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(給与所得者全体の平均給与)
  4. 日本商工会議所「簿記 受験者データ」(級別・方式別の受験者数、合格者数、合格率)
  5. 総務省「日本標準職業分類」中分類26 会計事務従事者(区分に含まれる職業の範囲)
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