✅ この記事でわかること
- 社内SE・情シスの職務経歴書が「通らない」理由と改善の方向性
- そのまま使える職務経歴書の基本構成テンプレート
- 採用担当に響く「実績の見せ方」3つのコツ
- コピペで使えるサンプル例文とNG例
「運用保守が中心で、書けるような実績がない」。社内SEや情シスの方が職務経歴書で最初につまずくのが、この悩みです。開発職と違い、成果が数字になりにくい職種だからこそ、書き方しだいで通過率は大きく変わります。
この記事は、社内SE・情シスから転職を目指す20代・30代に向けたものです。IT資産管理やヘルプデスク、ベンダー調整といった業務経験を、採用担当に伝わる形に翻訳する方法を、テンプレートと例文つきで解説します。
社内SEの職務経歴書が「通らない」3つの理由
まず、なぜ書類選考で落ちるのかを整理します。原因がわかれば、直すべき場所も見えてきます。
理由1:業務の「羅列」で終わっている
「サーバー保守、ヘルプデスク対応、資産管理を担当」。こうした箇条書きだけでは、あなたが何を成し遂げたのかが伝わりません。なぜなら、採用担当が知りたいのは、担当業務そのものではなく、その業務で出した成果だからです。
理由2:成果が数字になっていない
社内SEの仕事は、コスト削減や工数短縮という形で会社に貢献しています。しかし、その効果を数字で書いていないケースが多く見られます。たとえば「問い合わせ対応を効率化」ではなく「月200件の問い合わせを150件に削減」と書くだけで、説得力は一気に高まります。
理由3:応募先とスキルがかみ合っていない
同じ職務経歴書を、どの企業にも使い回していませんか。一方で、応募先が求める役割は企業ごとに異なります。ユーザー企業の情シスとSIer出身者では、評価されるポイントも変わります。そのため、応募先に合わせた調整が欠かせません。
▶ あわせて読みたい:社内SEの自己PR完全攻略|採用担当に響く実績の書き方
社内SE職務経歴書の基本構成【テンプレート】

ここからは、実際の構成を見ていきます。社内SEの職務経歴書は、次の5ブロックで組み立てると過不足がありません。
① 職務要約(150〜200字)
まず、冒頭で経歴の全体像を3〜4文にまとめます。採用担当が最初に読む部分なので、担当領域・年数・得意分野を凝縮します。ここで興味を持たれれば、その先も読んでもらえます。
② 職務経歴(プロジェクト・業務単位)
次に、在籍企業ごとに、担当した業務を単位で書きます。単なる作業内容ではなく、「課題→対応→結果」の流れで書くと成果が伝わります。とくに、インフラ更改やシステム導入などのプロジェクト経験は具体的に記載します。
③ 活かせる経験・スキル・資格
まず、OS・ネットワーク・クラウド・業務システムなど、扱える技術を整理します。さらに、基本情報技術者やAWS認定、ITILといった資格も明記します。ベンダーとの折衝経験やヘルプデスクのマネジメント経験も、立派なアピール材料です。
④ 自己PR(300〜400字)
さらに、あなたの強みを応募先のニーズに結びつけます。技術力だけでなく、社内の各部署をつなぐ調整力も社内SEの価値です。したがって、コミュニケーション面の実績も盛り込みましょう。
⑤ 志望動機(応募先ごとに調整)
最後に、なぜその会社なのかを、自分のキャリアと重ねて書きます。使い回しは避け、応募先の事業やIT環境に触れると熱意が伝わります。
【実数】資格欄は何を書くか|IPAの合格率で優先順位をつける
職務経歴書で迷いやすいのが資格欄です。何をどこまで書くかは、資格の難易度と実務との距離で決まります。まずIPAが公表している実数を見てください。
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基本情報技術者(令和8年7月試験) | 7,603人 | 3,193人 | 42.0% |
| 応用情報技術者(令和7年度) | 82,668人 | 19,319人 | 23.4% |
| 情報処理安全確保支援士(令和7年度) | 35,342人 | 7,333人 | 20.7% |
まず基本情報は42.0%が合格します。一方で応用情報は23.4%、そして支援士は20.7%です。つまり応用情報より上は、5人に1人前後しか通りません。
だから書き方を変える
つまり合格率が示すのは希少性です。したがって資格欄の扱いも、区分によって変えてください。
- 応用情報・支援士など上位区分:資格欄だけでなく、職務要約にも1行入れる
- 基本情報・ベンダー資格:資格欄にまとめて記載し、本文では触れない
- 学習中の資格:「〇〇試験 学習中(受験予定:〇年〇月)」と時期まで書く
なお、資格の取得を理由に応募時期を遅らせる必要はありません。というのも、書類選考で最終的に見られるのは実績のほうだからです。
実際、応募者の多くは基本情報までを保有しています。だから同じ欄で差をつけるのは難しくなります。むしろ次の章の「実績の見せ方」に時間を使ってください。
採用される「実績の見せ方」3つのコツ

構成が整ったら、次は中身の磨き方です。社内SEならではの実績を、採用担当に刺さる形へ変換します。
コツ1:成果を数字で定量化する
まず、効果は、できる限り数字に置き換えます。たとえば、コスト削減額・工数短縮率・対応件数・稼働率などです。金額や割合がわからない場合でも、「約」をつけて概算で示せば十分です。数字は、それだけで客観的な証拠になります。
コツ2:調整・巻き込みの実績を書く
また、社内SEの真価は、技術と現場をつなぐ調整力にあります。ベンダー選定や見積もり交渉、社内の要件ヒアリングなどです。こうした「人を動かした経験」は、開発職にはない強みとして評価されます。そのため、必ず一つは盛り込みましょう。
コツ3:応募先に合わせて見せ方を変える
たとえば、攻めのDX推進を求める企業なら、企画・改善の実績を前面に出します。一方で、安定運用を重視する企業なら、無停止運用やセキュリティ強化の実績が響きます。応募先が何を求めているかを読み、強調する順番を入れ替えます。
▶ あわせて読みたい:情シス未経験から転職する方法|異職種からのロードマップと年収相場
社内SE 職務経歴書のサンプル例文【コピペ可】
そこで、言葉だけではイメージしづらいので、具体例を示します。まずは職務要約と職務経歴のサンプルです。
職務要約のサンプル
大学卒業後、製造業の情報システム部門で6年間、社内SEとして従事。社内ネットワークとサーバーの運用保守を軸に、基幹システムの更改プロジェクトや全社ヘルプデスクの改善を担当。ベンダー10社以上との折衝経験を持ち、IT資産管理の標準化により年間約300万円のコスト削減を実現。
職務経歴(実績)のサンプル
【課題】老朽化した社内サーバーの保守コスト増大と障害頻発。
【対応】クラウド移行を提案し、要件定義からベンダー選定・移行までを主導。
【結果】インフラ保守コストを約35%削減し、月間障害件数を12件から2件へ低減。
NG例と改善例
次のように書き換えるだけで、印象は大きく変わります。
❌ NG例:ヘルプデスク業務を担当し、社員からの問い合わせに対応した。
⭕ 改善例:FAQ整備とチャットボット導入により、月200件の問い合わせを150件へ削減。一次解決率を60%から85%に改善した。
経歴パターン別・職務要約のサンプル3つ
職務要約は最初に読まれる部分です。そのため、どこから来た人かが3行で伝わる形にしてください。なお、ここでは代表的な3パターンを挙げます。
① SIer・SESから社内SEを目指す場合
SIerにて7年間、金融・製造業向けの基幹システム更改に従事。要件定義からベンダー選定、検収までを一貫して担当し、直近3年は5名規模のチームをリード。複数ベンダーの比較検討と価格交渉を主導し、更改費用を前回比で約15%圧縮。今後は自社の基盤を継続的に育てる立場で、企画から運用までを担いたいと考えています。
② ヘルプデスク・運用保守から社内SEを目指す場合
情報システム部門にて4年間、社内約400台の端末とアカウント運用を担当。月およそ80件の問い合わせに一次対応するとともに、頻出案件をFAQ化ではなく設定変更で根本解決し、同種の問い合わせを約3割削減。あわせてキッティング手順を標準化し、新入社員対応の工数を1台あたり40分短縮しました。
③ インフラ・ネットワークから社内SEを目指す場合
ネットワークエンジニアとして6年間、拠点間VPNと無線LAN基盤の設計・構築を担当。オンプレミス構成とクラウド型を比較したうえで、運用要員の人数を理由にクラウド型を選定し、5拠点へ展開。障害の一次切り分け手順を整備し、平均復旧時間を約半分に短縮しました。
3つに共通する構成
つまり3つに共通しているのは、次の構成です。①年数と担当範囲 → ②規模がわかる数字 → ③判断とその結果の順で並べています。
とくに③を落とさないでください。というのも、採用側が知りたいのは作業量ではなく判断の質だからです。前掲のとおり、ここを書ける応募者は多くありません。
そのまま使うと落ちるNGパターン
逆に、次のような書き方は避けてください。というのも、いずれも実際によく見かける失敗だからです。
- 技術スタックの羅列だけ:「Windows Server / AD / Microsoft 365 / AWS」と並べても、何をしたかが伝わりません
- 「〜を担当」で終わる:担当範囲は分かりますが、成果も判断も読み取れません
- すべての案件を等しく書く:応募先に関係の薄い案件は1行に圧縮してください
- 数字がひとつもない:金額でなくて構いません。台数・件数・拠点数で十分です
そのうえで、応募先ごとに並び順を入れ替えてください。同じ経歴でも、先頭に来る案件が変わるだけで読まれ方が変わります。
面談現場から:経歴の書き方が変わる2つの視点
ここからは、当社が2026年に実際にお話をうかがったエンジニアの方のケースを紹介します。職務経歴書に何を書くかの判断が、具体的に見えてきます。
「どこから始めたか」を隠さないほうが強い
IT歴およそ4年の方のケースです。前職は海外でのサービス業のマネジメントで、技術的な下地はありませんでした。そこから次のように進んでいます。
- SES契約で一次対応のヘルプデスク(L1)を担当
- 派遣として大手ECサイトのAPI関連業務(L2)へ移る
- 個人事業主として社内SE・資格管理システム・AI関連の資料作成を受注
- 上場企業のAI導入プロジェクトで、ベンダー選定から価格交渉までを担当
この経歴は、書き方を誤ると「短期間で職場を転々とした人」に見えます。ところが順番を追えば、むしろまったく違う印象になります。
L1からいきなり企画へ飛んだのではありません。まずL2という一段深い切り分けに移り、そのうえで構築・企画へ広げています。
だから職務経歴書では、担当した会社ごとではなく担当した工程の深さ順で並べてください。そうすると4年間が、一本の積み上げとして読めます。
この方は現在、正社員1社と業務委託4案件を並行しています。柱は自動化・メンター・PMO・クラウド活用の4本です。つまり「幅」も同時に説明できる状態になっています。
並べるのは作業ではなく、判断
もう一つ、別の面談で出てきた論点です。3年周期で転職してきた方に対して、当社は次のようにお伝えしました。
エンジニアに限れば、転職回数の見られ方は緩和されつつあります。ただし代わりに問われる論点があります。「なぜこのアーキテクチャ・技術選定にしたのか」に答えられるかどうかです。
すでに走っているサービスに乗るだけだと、ここで詰まる方が多くいます。だから職務経歴書でも、この観点を先回りしてください。
そこで具体的には、プロジェクト単位の記述に次の1行を足してください。
「◯◯と△△を比較したうえで、××を理由に□□を選定」
この1行があるかどうかで、同じ経歴でも読まれ方が変わります。しかも書ける人は多くありません。したがって1件だけでも入れておくと、それだけで差がつきます。
強みの伝え方は社内SEの自己PR、動機の作り方は社内SEの志望動機で扱っています。
職務経歴書でよくある質問(FAQ)
Q. 未経験からの情シスでも実績は書ける?
はい、書けます。たとえば、前職での改善提案や、ExcelマクロなどのITツール活用も立派な実績です。小さくても「自分で工夫した経験」を数字とともに示しましょう。
Q. 職務経歴書は何枚が適切?
結論として、A4で2枚が目安です。3枚を超えると読み手の負担になります。プロジェクト経験が多い場合は、応募先に関係するものを優先して絞ります。
Q. 資格はどこまで書くべき?
まず、業務に関連する資格を中心に書きます。基本情報技術者やAWS認定、ITILは評価されやすい資格です。取得予定のものは「学習中」と補足すると意欲が伝わります。
Q. 資格は取ってから応募すべきですか?
その必要はありません。前掲のとおり、応用情報より上の区分は5人に1人前後しか通らない試験です。したがって取得を待つと、応募時期が半年から1年遅れます。
むしろ「学習中(受験予定:〇年〇月)」と書いて応募してください。準備している事実は、それだけで伝わります。
Q. 転職回数が多い場合、どう書けばよいですか?
会社ごとに並べるのではなく、担当した工程の深さで整理してください。そうすると経歴が一本の積み上げとして読めます。
加えて、各社での判断を一言ずつ添えてください。というのもエンジニアに限れば、回数そのものより「なぜそう決めたか」が見られるからです。
Q. 運用保守しか経験がない場合はどうしますか?
まず件数と範囲を先に書いてください。たとえば「月およそ80件の一次対応、対象は約400台」といった形です。
そのうえで、改善につながった判断を1件だけ足します。規模が小さくても、判断の理由が書ければ十分に評価されます。
▶ あわせて読みたい:第二新卒で情シスを目指す|未経験でも内定を取る戦略
Q. 職務経歴書と履歴書で、内容が重複しても問題ありませんか?
問題ありません。ただし役割は分けてください。つまり履歴書は事実の一覧、そして職務経歴書は実績と判断の説明です。
そのため履歴書には期間と社名だけを書き、詳細は職務経歴書に集約してください。両方に同じ長文を入れると、読み手の負担になります。
Q. 応募先ごとに作り直す必要はありますか?
全面的に作り直す必要はありません。むしろ目安として、書き換えるのは全体の3割です。
具体的には、職務要約の3行目と、案件の並び順を変えてください。この2箇所だけで、応募先への最適化はほぼ足ります。
管理部門の他職種でも役立つ関連記事
応募書類(職務経歴書)
面接対策
✏️ 執筆・監修者
LXキャリア 転職支援チーム
- CA/RA 経験豊富な現役人材紹介のプロ。年間数十件のマッチングを成立
- 人材ビジネスを0→1で立ち上げ、事業としての人材支援の仕組みをゼロから構築
- 情シス・IT・コーポレートIT領域の転職支援実績多数
※ 相談・登録は完全無料です
