📖 この記事でわかること
- 第二新卒から情シスを目指すときの現実的な難易度と勝ち筋
- 未経験でも内定を取るための準備ステップと求められるスキル
- 第二新卒情シスの年収相場とその後のキャリアパス
- 選考で評価される資格・自己PRの作り方と転職タイミング
「新卒で入った会社が想像と違った。次はIT部門で長く働きたい」。そう考える20代は年々増えています。なかでも第二新卒から情シス(社内SE)を目指す動きは活発です。ただ、未経験からの挑戦には正しい順番があります。この記事では、第二新卒情シスへの転職を成功させる準備と戦略を、年収・キャリアパス・必要スキルの観点から整理します。
第二新卒から情シスは目指せるのか
結論から言えば、第二新卒からの情シス転職は十分に狙えます。企業は若手のポテンシャルと定着性を重視するからです。むしろ社会人経験が数年ある分、新卒よりも即戦力に近い評価を受けやすい場面もあります。

第二新卒が歓迎される理由
情シス部門は慢性的な人手不足に直面しています。ベテランの高齢化も進み、若手の採用意欲は高い状態です。また、第二新卒はビジネスマナーを一度習得しているため、教育コストが低いと見なされます。そのため未経験でもチャンスが生まれやすいのです。
未経験でも越えられるハードル
一方で、専門スキルがゼロだと不利になる場面もあります。ただし情シスの入口は幅広く、ヘルプデスクやIT資産管理から始めるルートがあります。まずは運用・サポート業務で実績を積み、そこから企画やDX推進へ広げる流れが現実的です。たとえば基本情報技術者の学習を始めるだけでも、学ぶ姿勢を示せます。
第二新卒情シスに求められるスキルと資格
情シスは技術と調整の両輪で成り立つ仕事です。第二新卒に完璧な技術力は求められません。しかし、伸びしろを示す材料は用意しておきたいところです。

入社前に準備したいスキル
まず押さえたいのはPCやネットワークの基礎知識です。さらにExcelやSaaSツールの操作に慣れておくと役立ちます。加えて、社内の非エンジニアと会話する調整力も評価されます。情シスはベンダーやユーザー部門との橋渡し役だからです。技術一辺倒ではなく、コミュニケーション力も磨いておきましょう。
選考で効く資格
資格は必須ではありませんが、学習意欲の証明になります。第二新卒がまず狙うなら基本情報技術者やITパスポートが定番です。さらにインフラ志向ならCCNAやLinuC、クラウド志向ならAWS認定の入門資格が有効です。運用改善に関心があればITILファンデーションも好印象を与えます。取得済みでなくても「学習中」と伝えれば十分プラスに働きます。
第二新卒情シスの年収相場
気になる年収を確認しましょう。第二新卒・未経験スタートの情シスは、年収300万〜400万円台が中心です。前職の給与や企業規模によって幅は生まれます。ただし、その後の伸び方に情シスならではの魅力があります。
入社直後とその後の伸び
入口の年収は決して高くありません。しかし経験を積むと市場価値は着実に上がります。運用担当から企画・DX推進へ進めば、30代で500万〜600万円台も見えてきます。厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)でも、情報通信業の賃金は全産業平均を上回る水準が示されています(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag)。若いうちに専門性の土台を作る価値は大きいと言えます。
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【実数】第二新卒が辞める理由は、20代後半とは違う
選考では必ず退職理由を聞かれます。そこで、実際の分布を先に押さえておきましょう。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」の、転職入職者が前職を辞めた理由です(男性・年齢階級別)。
| 前職を辞めた理由 | 20〜24歳 | 25〜29歳 |
|---|---|---|
| 給料等収入が少なかった | 12.5% | 16.9% |
| 労働時間・休日等の労働条件が悪かった | 11.3% | 9.8% |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 7.6% | 11.5% |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 6.3% | 5.6% |
| 会社の将来が不安だった | 5.0% | 8.1% |
| 能力・個性・資格を活かせなかった | 1.6% | 4.7% |
20代前半は「労働条件」、20代後半は「給料」
読み取れる違いは明確です。20〜24歳では「労働時間・休日等」が11.3%と高く、「給料」12.5%とほぼ並びます。ところが25〜29歳になると、給料が16.9%へ跳ね上がります。
つまり第二新卒の時期は、待遇よりも働き方や仕事内容が理由になりやすいということです。ここは面接での伝え方に直結します。
というのも、待遇を理由に挙げると「次も同じ理由で辞めるのでは」と受け取られやすいからです。一方で仕事内容の話であれば、志望動機にそのままつながります。
「仕事の内容に興味を持てなかった」は使える理由
もう一つ注目したいのが、6.3%という数字です。20〜24歳で「仕事の内容に興味を持てなかった」を挙げる人は、25〜29歳(5.6%)より多くなっています。
この理由は、そのまま志望動機に変換できます。「前職では扱えなかった領域に、腰を据えて取り組みたい」という形にすれば、後ろ向きな印象は残りません。
したがって第二新卒情シスを目指すなら、退職理由はここに寄せてください。前職の不満ではなく、次にやりたいことを軸にします。
入口の年収は、職種で100万円以上違う
あわせて年収も実数で確認します。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の20〜24歳のデータです。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」です。
| 職種(小分類)・20〜24歳 | 年収換算 |
|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 約477万円 |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 約398万円 |
| その他の情報処理・通信技術者 | 約388万円 |
| ソフトウェア作成者 | 約363万円 |
同じ20代前半でも、上下で約114万円の差があります。ただし第二新卒の入口は、多くが運用・保守側です。したがって最初は下側のレンジになると考えてください。
むしろ重要なのはこの先です。25〜29歳から30〜34歳にかけての伸び幅は、上流で約224万円、実装側で約75万円と約3倍の開きがあります。だから入口の金額よりも、その後どこへ動けるかを見てください。
未経験から内定を取る転職ステップ
やみくもに応募しても内定は遠のきます。第二新卒情シスの転職には、勝率を上げる順番があります。ここでは4つのステップに分けて解説します。

ステップ1:転職の軸を言語化する
まず、なぜ情シスなのかを整理しましょう。前職の不満だけを語ると印象が弱くなります。そのため「IT で組織を支えたい」など前向きな軸に変換します。この軸が志望動機と自己PRの芯になります。
ステップ2:入口ポジションを見極める
次に、狙うポジションを絞ります。未経験ならヘルプデスク兼務や情シスアシスタントが入りやすい入口です。一方で、いきなり企画専任を狙うと難易度が跳ね上がります。まずは実務に触れられる求人を選びましょう。
ステップ3:職務経歴書で伸びしろを見せる
第二新卒は実績が少なくて当然です。だからこそ、学習履歴や前職での改善エピソードを盛り込みます。たとえば「業務フローを見直し工数を削減した」など、小さな改善でも構いません。IT への適性を具体で示すことが評価につながります。
ステップ4:面接で定着意欲を伝える
最後は面接です。企業が第二新卒に最も懸念するのは早期離職です。そのため「長く貢献したい」という意思を具体的に語りましょう。入社後に学びたい技術を挙げると、意欲がより伝わります。
▶ あわせて読みたい:20代社内SEの転職戦略|ポテンシャルを最大限に活かす完全ガイド
第二新卒情シスのキャリアパス
入口の先も見据えておきましょう。情シスのキャリアは一本道ではありません。運用から始めても、進む方向は複数あります。
技術か企画か、広がる選択肢
運用・ヘルプデスクを起点に、インフラやセキュリティの専門職へ進む道があります。一方で、社内DX推進やIT企画といった上流へ進む道もあります。さらに経験を重ねれば、情シスマネージャーやCIO直下ポジションも視野に入ります。第二新卒で早く始めるほど、選択肢を広げる時間を確保できます。
▶ あわせて読みたい:ヘルプデスクからのキャリアアップ|社内SE・インフラへの転職ロードマップ
面談現場から:技術の下地がなくても、4年で企画側に届いた人がいる
ここからは、当社が2026年に実際にお話をうかがったエンジニアの方のケースを紹介します。未経験からの経路が、具体的に見えてきます。
出発点はSES契約の一次対応だった
IT歴およそ4年の方です。前職は海外でのサービス業のマネジメントで、技術的な下地はありませんでした。そこから次のように進んでいます。
- SES契約で一次対応のヘルプデスク(L1)を担当
- 派遣として大手ECサイトのAPI関連業務(L2)へ移る
- 個人事業主として社内SE・資格管理システム・AI関連の資料作成を受注
- 上場企業のAI導入プロジェクトで、ベンダー選定から価格交渉までを担当
4年で一次対応から企画側まで到達しています。ここで注目したいのは、跳び方の刻みです。
L1からいきなり企画へ飛んだのではありません。まずL2という一段深い切り分けに移り、そのうえで構築・企画へ広げています。
つまり第二新卒情シスの入口は、設計や開発である必要はありません。運用の一次対応から始めても、担当範囲を段階的に広げれば届きます。
資格を後回しにするという判断も成立する
この方は資格をほとんど取っていません。必要性は理解しつつ、優先度を下げていました。理由も明快でした。
「2〜3年の投資に見合うリターンが読めないんです。それより、今できることを打ち出したほうが市場では強いと思っています」
そのうえで語った危機感がこちらです。
「引き出しを複数作らないと、今後は食べていけないと思っています」
現在この方は、正社員1社と業務委託4案件を並行しています。柱は自動化・メンター・PMO・クラウド活用の4本です。
ただし、この進め方が万人向けというわけではありません。本人も、案件レベルと自分のスキルに乖離がある点を自覚していました。だから第二新卒の段階では、まず1本目の柱を作ることに集中してください。
選考で効くのは「なぜそうしたか」
別の面談では、転職回数を気にしている20代後半の方から相談を受けました。当社の見立ては次のとおりです。
エンジニアに限れば、回数の見られ方は緩和されつつあります。ただし代わりに問われる論点があります。「なぜこのアーキテクチャ・技術選定にしたのか」に答えられるかどうかです。
第二新卒には、まだ選定の経験がなくて当然です。それでも同じ考え方は使えます。前職で「なぜその手順に変えたのか」を1件だけ語れれば十分です。
たとえば、集計作業を手作業からツールに切り替えた話でも構いません。判断の理由が説明できれば、技術経験の不足は補えます。
書類の作り方は社内SEの職務経歴書、動機の組み立ては社内SEの志望動機で扱っています。
転職のベストタイミング
第二新卒情シスを狙うなら、動き出す時期も成否を左右します。第二新卒には有効期限のような側面があります。一般に卒業後3年以内が第二新卒として扱われやすい期間です。この枠を活かせるうちに動くほうが選択肢は広がります。ただし焦って準備不足のまま応募するのは逆効果です。学習と情報収集を進めながら、半年程度で内定を狙う計画が現実的でしょう。
第二新卒の情シス転職でよくある質問
最後に、第二新卒から情シスを目指す方からよく寄せられる質問をまとめます。
Q. 在籍1年未満でも応募できますか?
応募できます。ただし退職理由の説明は丁寧に準備してください。というのも、企業が最も懸念するのは早期離職だからです。
前掲のとおり、20〜24歳では「労働時間・休日等」が11.3%と高く出ています。つまり珍しい理由ではありません。だから事実は事実として、そのうえで次にやりたいことを主軸に置いてください。
Q. 文系出身でも情シスになれますか?
なれます。というのも、情シスはユーザー部門との調整が業務の中核だからです。技術より、困りごとを言語化する力が先に効きます。
そのうえで、基本情報技術者を1つ取っておくと書類が通りやすくなります。合格率は42.0%で、独学でも十分に射程内です。
Q. 資格は転職前に取るべきですか?
取れるなら有利です。ただし、取得を待って応募時期を遅らせる必要はありません。第二新卒として扱われる期間には限りがあるためです。
そのため「学習中(受験予定:〇年〇月)」と書いて応募してください。準備している事実は、それだけで伝わります。
Q. 未経験可の求人はどこを見れば見分けられますか?
求人票の必須要件を見てください。「IT未経験歓迎」「第二新卒可」「基本情報合格者歓迎」とあれば育成前提です。
逆に「実務経験3年以上」とある求人は、現時点では書類通過が難しくなります。だから今は見送り、経験を積んでから再挑戦するほうが確実です。
Q. 一人情シスの求人は避けるべきですか?
第二新卒の段階では避けてください。というのも、相談相手がいない状態で判断まで求められるからです。
目安として、IT部門が2名以上いる企業を選びましょう。加えて、運用の外注状況も面接で確認しておくと安心です。
Q. 入社後どのくらいで次のステップに進めますか?
一般的には1〜2年です。運用で基礎を固めたあと、インフラやSaaS管理へ範囲を広げる流れが多く見られます。
前掲の面談では、L1からL2へ移り、そこから構築・企画へ広げた例がありました。つまり一段ずつ深めるほうが、結果的に早く届きます。
✏️ 執筆・監修者
LXキャリア 転職支援チーム
- CA/RA 経験豊富な現役人材紹介のプロ。年間数十件のマッチングを成立
- 人材ビジネスを0→1で立ち上げ、事業としての人材支援の仕組みをゼロから構築
- 情シス・IT・コーポレートIT領域の転職支援実績多数
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