「外資系企業の経理に興味はあるけれど、英語に自信がないから応募をためらっている」
そう感じている方は少なくありません。経理 転職 外資系を検討する際、多くの方が真っ先に不安に感じるのが英語力の壁です。
そこで本記事では、外資系企業の経理転職で実際に必要とされる英語力のレベルと、転職前に準備しておくべきことを具体的に解説します。
📋 この記事でわかること
- 外資系経理で求められる英語力の実態
- ポジション別に見る英語力の必要度
- 転職前に準備しておくべき3つのこと
- 英語力以外に評価されるポイント
外資系経理で求められる英語力の実態
外資系企業といっても、求められる英語力は一律ではありません。本社への月次レポート作成や、海外拠点とのメールのやり取りが中心であれば、読み書き中心の英語力で対応できるケースが多くあります。一方、四半期ごとの電話会議で本社担当者と直接やり取りする役割になると、リスニング・スピーキングまで含めた実践的な英語力が求められます。求人票の「英語使用頻度」の記載だけでなく、面談で具体的な使用シーンを確認しておくと安心です。
まず、外資系企業の経理と一口に言っても、求められる英語力は企業やポジションによって幅があります。
| 英語力レベル | 求められる場面 |
|---|---|
| 読み書き中心 | 本社への月次レポート作成、メールでのやり取り |
| 会話も必要 | 海外本社担当者との定例ミーティング、電話会議 |
| 高度なビジネス英語 | 経営層への英語での説明、交渉を伴う業務 |
つまり、日系企業の日本法人経理であれば読み書き中心のレベルで対応できる求人も多く、必ずしも高度な会話力が必須とは限りません。
ポジション別に見る英語力の必要度
経理オペレーション担当であれば、定型フォーマットへの入力や社内マニュアルの読解が中心となるため、英語力はそこまで高く求められない場合があります。一方、経理マネージャーやコントローラー職になると、本社への説明責任を負う立場になるため、交渉力を伴う英語コミュニケーション能力が必須になります。自分が目指すポジションによって、優先して伸ばすべき英語スキルの種類も変わってきます。
次に、ポジションによる英語力の必要度の違いも確認しておきましょう。
| ポジション | 英語力の必要度 |
|---|---|
| 日本法人の経理担当 | 中程度(読み書き中心、TOEIC600〜700点目安) |
| 経理マネージャー | やや高め(本社報告・会議への参加、TOEIC750点前後) |
| 財務経理責任者(CFO候補) | 高い(交渉・経営会議での英語対応、TOEIC850点以上) |
したがって、まずは自分が目指すポジションに応じて、必要な英語力の目安を把握しておくことが準備の第一歩になります。
外資系企業の選考プロセスの特徴
外資系企業の選考プロセスには、日系企業とは異なる特徴がいくつかあります。あらかじめ傾向を把握しておくことで、選考中に戸惑うことなく対応できます。
まず、外資系企業の選考プロセスは、日系企業と異なる点がいくつかあります。事前に知っておくことで、選考をスムーズに進められます。
選考スピードが速い傾向がある
書類選考から内定までを2〜3週間程度で進める企業も珍しくありません。連絡への返信は当日〜翌日を目安に行い、他社の選考状況も整理した上で臨むとスムーズです。
外資系企業は、意思決定のスピードが速い分、選考プロセスも短期間で進むことが多くあります。内定後の返答期限が短いケースもあるため、事前に希望条件を整理しておくとよいでしょう。
面接で英語力を試される場合がある
面接の一部、または全部を英語で実施する企業もあります。流暢さよりも、業務内容を正確に説明できるかどうかが重視される傾向があるため、専門用語を英語で言えるように準備しておくと安心です。
ポジションによっては、面接の一部が英語で行われることがあります。ただし、日本法人の経理ポジションであれば、日本語面接が中心のケースも多く、企業や求人によって差があります。事前にエージェントを通じて確認しておくと安心です。
複数回の面接でカルチャーフィットを見られる
複数回の面接を通じて、意見をはっきり述べられるか、変化の多い環境に適応できるかを見られることが多くあります。受け身の姿勢よりも、自分の考えを主体的に伝える姿勢が評価されやすくなります。
外資系企業では、スキル面だけでなく、企業文化への適応力も重視される傾向があります。面接では、変化への柔軟性や、多様な価値観を持つ同僚との協働経験などが問われることがあります。
英語力を証明する方法
TOEICのスコアはひとつの目安になりますが、それ以上に「実務で英語をどう使ってきたか」を具体的に説明できることが重要です。英文メールの作成頻度、電話会議への参加経験、英語資料の作成実績などを、職務経歴書や面接で数字や頻度とともに伝えると説得力が増します。
次に、選考の場で自分の英語力を客観的に伝える方法についても押さえておきましょう。
TOEICなどの資格スコアは、最もわかりやすい証明手段です。スコアが低めであっても、学習を継続している姿勢を伝えることで、意欲を示せます。また、実務で英語を使った経験(メールでのやり取り、資料作成など)があれば、具体的なエピソードとして伝えることが有効です。資格だけでなく、実務での使用経験を組み合わせて伝えることで、より説得力のあるアピールになります。
転職前に準備しておくべき3つのこと
外資系経理への転職を考え始めたら、選考が本格化する前に準備しておきたいことが3つあります。
さらに、外資系経理への転職を成功させるために、転職活動を始める前から準備できることがあります。
①経理関連の英単語に慣れておく
accrual(未払費用)、depreciation(減価償却)、reconciliation(照合)など、決算業務で頻出する会計英単語は、実務で使う場面を想定しながら覚えておくと定着しやすくなります。
例えば、決算書や会計用語の英単語(Balance Sheet、Accrual、Reconciliationなど)に日頃から触れておくことで、面接や実務でのハードルを下げられます。
②IFRSの基礎知識を押さえておく
外資系企業では、日本基準ではなくIFRSまたは米国基準(US-GAAP)で経理処理を行うケースが一般的です。基準ごとの収益認識や資産計上の違いを理解しておくと、入社後のキャッチアップがスムーズになります。
また、外資系企業では日本基準に加えてIFRS(国際財務報告基準)の知識が求められることがあります。基礎だけでも理解しておくと、選考でのアピール材料になります。
③英語での職務経歴書を準備しておく
英文レジュメでは、日本式の職務経歴書とは異なり、成果を数字で簡潔に示す書き方が求められます。テンプレートを参考にしながら、担当業務ごとに実績を1〜2文でまとめておくとよいでしょう。
さらに、応募先によっては英語の職務経歴書(レジュメ)の提出を求められることもあるため、事前に準備しておくと選考がスムーズに進みます。
入社後、英語力をさらに伸ばすための工夫
入社後は、実務の中で使う英語表現から優先的に覚えていくのが効率的です。本社とのメールのやり取りをテンプレート化して蓄積したり、会議の議事録を英語で作成する習慣をつけたりすることで、実務に直結した英語力が自然と身についていきます。
さらに、入社後も英語力を伸ばし続けることで、より高いポジションへのキャリアアップにつながります。
例えば、社内の英語研修制度を活用したり、日常的に英語のビジネスメールのテンプレートを蓄積したりすることで、実務レベルの英語力は着実に向上していきます。また、海外拠点とのオンライン会議に積極的に参加することも、実践的な英語力を鍛える機会になります。焦らず、日々の業務の中で少しずつ英語に触れる機会を増やしていく姿勢が、中長期的なキャリアの選択肢を広げることにつながります。
英語力以外に評価されるポイント
英語力はあくまで評価項目のひとつであり、それだけで採用が決まるわけではありません。日本の会計基準や税務知識、決算の実務経験、変化の多い環境への適応力なども同様に重視されます。英語力に自信がなくても、実務での強みを明確に言語化できれば十分に選考を突破できます。
特に、日本基準からIFRSへの組み替え仕訳(コンバージョン)の実務経験がある場合は、外資系企業への転職で大きな強みになります。担当した組み替え項目や、監査対応での役割まで具体的に説明できると評価が高まります。
一方で、外資系経理の選考では英語力だけがすべてではありません。
- 日本の会計・税務実務に精通していること(現地の実務は日本人経理の強みになりやすい)
- 本社と日本法人の橋渡し役としてのコミュニケーション力
- 変化の多い環境への適応力、スピード感のある対応力
特に、日本の会計・税務実務への精通は、外資系企業が日本人経理人材に求める大きな価値の一つです。英語力に自信がなくても、この強みを的確にアピールすることで選考を有利に進められます。
外資系企業の経理でよくある業務内容
本社への月次・四半期レポーティング、グループ会社間の取引調整、内部統制(J-SOXやSOX法)への対応など、日系企業以上に本社とのコミュニケーションを前提とした業務が中心になります。加えて、本社の会計方針変更に合わせて日本側の処理を調整する場面も多く発生します。
使用する会計システムも、SAP・Oracle・NetSuiteなど本社が指定するグローバル標準のツールであることが一般的です。日本独自のシステムに慣れている場合でも、入社後の研修でキャッチアップできる企業がほとんどのため、過度に心配する必要はありません。
加えて、外資系企業の経理職では、日系企業とは異なる業務が発生することがあります。事前にイメージを持っておくと安心です。
例えば、本社への月次レポーティングは、外資系企業に特有の業務の一つです。定型フォーマットに沿って数値をまとめ、期限内に本社へ提出する必要があります。また、本社の会計基準(US-GAAPやIFRSなど)と日本基準の差異を調整する業務が発生することもあります。さらに、内部監査や本社からの問い合わせ対応など、グローバル企業ならではのやり取りも経理業務の一部として組み込まれることがあります。
外資系企業へのキャリアチェンジで気をつけたいこと
外資系企業は、事業方針の変更に伴う組織再編や人員整理が日系企業より起こりやすい傾向があります。転職前には、対象企業の日本法人としての位置づけや、過去の組織変更の履歴もあわせて確認しておくと、リスクを事前に把握できます。
また、日系企業から外資系企業へキャリアチェンジする際は、いくつか意識しておきたい点があります。
まず、成果主義の評価制度に慣れる必要があります。年功序列ではなく、実績や成果が評価に直結するため、自ら積極的に成果を発信していく姿勢が求められます。次に、変化のスピードに対応する柔軟性も重要です。組織変更や方針転換が比較的頻繁に起こることもあるため、変化を前向きに受け止める姿勢が求められます。
外資系経理の年収レンジと働き方の特徴
外資系企業の経理職は、日系企業と比較して年収水準が高めに設定されているケースが多く見られます。一方で、成果に基づく評価制度が明確なため、成果が給与に反映されやすい反面、決算期以外は比較的裁量を持って働ける環境も特徴のひとつです。
評価制度は半期ごとの目標設定・レビューを基本とする企業が多く、賞与も個人および会社全体の業績に連動する形が一般的です。フレックスタイムやリモートワークを併用できる企業も多く、決算期以外は柔軟な働き方を選びやすい環境が整っています。
加えて、外資系経理を検討するうえで、年収レンジや働き方の特徴も押さえておきましょう。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 年収水準 | 同規模の日系企業と比べてやや高めに設定される傾向がある |
| 評価制度 | 年功序列よりも成果・スキルベースの評価が中心 |
| 働き方 | 時差のある本社とのやり取りで時間帯が不規則になる場合がある |
このように、年収面でのメリットがある一方、時差対応など日系企業とは異なる働き方の特徴もあるため、事前に理解しておくと入社後のギャップを防げます。
外資系経理転職に関するよくある質問
Q. TOEIC何点あれば外資系経理に応募できますか?
明確な基準はありませんが、目安としてTOEIC730点前後を求める求人が多い印象です。ただし、スコアより実務での使用経験を重視する企業も少なくありません。
A. ポジションによりますが、600点台からでも応募可能な求人はあります。ただし、マネージャー以上のポジションでは750点以上が目安になることが多いです。
Q. 英語力に自信がなくても外資系企業に転職できますか?
可能です。ポジションによって求められる英語力は異なるため、まずはオペレーション寄りの職種から始めて、実務の中で英語力を伸ばしていく選択肢もあります。
A. 可能です。日本法人経理のポジションであれば、読み書き中心の対応で十分な求人も多く存在します。
Q. IFRSの資格は必須ですか?
必須ではありません。資格の有無よりも、IFRSと日本基準の違いを理解し、実務でどう対応してきたかを説明できることの方が評価されやすい傾向があります。
A. 必須ではありませんが、基礎知識があると選考でのアピール材料になり、入社後のキャッチアップもスムーズになります。
まとめ:経理 転職 外資系は「英語力+実務の強み」で勝負する
外資系経理への転職は、英語力単体で決まるものではなく、実務の専門性と組み合わせてアピールすることが成功のカギです。自分が目指すポジションに必要な英語力のレベルを見極めた上で、計画的に準備を進めていきましょう。
このように、外資系企業の経理転職で必要な英語力はポジションによって幅があり、必ずしも高度な会話力が必須とは限りません。日本の会計・税務実務への精通という強みを掛け合わせることで、英語力に不安があっても十分にチャンスはあります。
この記事の一次情報源
- LX Career 経理・財務職の転職支援実績にもとづく外資系企業の採用傾向分析
- IFRS財団:IFRS基準について




