経理の繁忙期がいつ来るのか、事前に把握しておきたい方は多いはずです。とくに未経験から経理へ転職した方や、これから経理を目指す方にとって、年間で忙しい時期の見通しは働き方を左右します。この記事では、経理の繁忙期がいつなのかを年間スケジュールで整理します。あわせて、忙しい時期の理由と、無理なく乗り切る具体的な方法までを解説します。読み終えるころには、1年の業務の波と自分に合った働き方の判断軸が見えてくるはずです。
経理の繁忙期はいつ?年間で忙しい時期を一覧で解説
まず結論からお伝えします。経理の繁忙期は、大きく「年度末の決算期」「四半期ごとの決算」「毎月の月初・月末」の3つに分かれます。それぞれ忙しさの質も期間も異なります。順番に見ていきましょう。
最大の繁忙期は年度末〜決算(3〜5月)
経理にとって1年で最も忙しい時期は、年度末から本決算にかけての3〜5月です。多くの日本企業は3月決算を採用しています。そのため、3月の期末締めから、4〜5月の決算業務、株主総会の準備までが一気に重なります。
この時期は、月次決算に加えて年間の数字を確定させる年次決算が発生します。さらに、監査法人対応や税務申告の準備も並行します。結果として、経理の残業が最も増えやすいのが、この年度末〜決算の繁忙期です。
四半期ごとの繁忙期(四半期決算)
上場企業やその子会社では、3か月ごとに四半期決算があります。具体的には、6月・9月・12月の各月末締めが対象です。四半期決算では、決算短信や開示資料の作成が求められます。したがって、本決算ほどではないものの、四半期末は明確な繁忙期になります。
月次でも忙しい「月初・月末」
年次や四半期だけでなく、毎月の月初と月末も経理の忙しい時期です。月末は請求・支払処理が集中します。一方、月初は前月分の月次決算を締める作業が発生します。つまり、経理は毎月のなかでも波があり、月の前半に業務が偏りやすい職種だといえます。
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【一覧】経理の年間スケジュールと業務カレンダー
次に、経理の年間スケジュールを月別に整理します。3月決算の企業を前提に、代表的な業務の時期をまとめました。自分の会社の決算月に合わせて読み替えてみてください。
月別の主な経理業務
年間の流れをつかむと、繁忙期の予測が立てやすくなります。以下は3月決算企業の一般的なスケジュールです。
- 4〜5月:年次決算、決算書作成、監査対応(最大の繁忙期)
- 6月:株主総会、法人税・消費税の申告と納付、第1四半期決算
- 7月:源泉所得税の納期特例、社会保険の算定基礎届
- 9月:第2四半期(中間)決算
- 12月:年末調整、第3四半期決算(月末)
- 1月:法定調書・給与支払報告書の提出、償却資産申告
- 3月:期末締め、翌期予算の確定(決算直前の準備期)
決算・税務申告の時期は特に集中する
年間スケジュールを見ると、決算と税務申告が重なる時期に業務が集中します。とくに4〜6月は、年次決算と法人税申告、株主総会が連続します。加えて、12月の年末調整も個人ごとの計算が必要で、負担の大きい時期です。このように、経理の繁忙期は「決算」と「税務」のタイミングで決まると考えると分かりやすいでしょう。
なぜ経理の繁忙期は忙しいのか|3つの理由
では、なぜ経理の繁忙期はこれほど忙しくなるのでしょうか。理由は主に3つあります。
第一に、締め切りが法律や制度で決まっているためです。決算や申告には明確な期限があり、後ろ倒しができません。そのため、期日に向けて業務が集中します。
第二に、他部署からの情報が揃うのを待つ必要があるためです。経費精算や売上データが出そろってから作業が本格化します。したがって、月末や期末に一気に仕事が押し寄せます。
第三に、正確性が強く求められるためです。数字のミスは決算の修正につながります。だからこそ、チェックや突合に時間がかかり、繁忙期の残業が増えやすくなります。
経理の繁忙期を乗り切る5つの方法
繁忙期の波は避けられません。しかし、工夫次第で負担は大きく減らせます。ここでは、経理の繁忙期を乗り切る5つの方法を紹介します。
1. 事前準備とスケジュールの前倒し
まず有効なのが、できる作業を前倒しすることです。たとえば、勘定科目の残高確認や証憑の整理は、決算月を待たずに進められます。事前準備を積み重ねておくと、繁忙期のピークが平準化されます。
2. 業務の標準化・効率化(脱エクセル)
次に、業務そのものを効率化する方法です。手作業のエクセル集計は、時間もミスも増やします。そこで、会計システムや自動化ツールを活用すると、繁忙期の作業量を圧縮できます。標準化された手順書があれば、属人化も防げます。
3. 繁忙期の少ない職場へ環境を変える
個人の工夫だけでは限界がある場合もあります。会社の体制や人員が原因なら、環境を変える選択肢も現実的です。実際、繁忙期でも残業が少ない経理の職場は存在します。無理を続ける前に、働き方の選択肢を広げておきましょう。
▶ あわせて読みたい:残業が少ない経理の職場はどこ?ホワイト求人の探し方と見極め方
繁忙期がつらいなら転職も選択肢|見極め方
繁忙期の忙しさが慢性的で、心身の負担が大きいなら、転職も前向きな選択肢です。ただし、感情的に辞めるのはおすすめしません。まずは、忙しさの原因が「時期的なもの」か「構造的なもの」かを見極めましょう。
時期的な繁忙なら、数週間で落ち着きます。一方、人員不足や非効率な体制が原因なら、状況は変わりにくいものです。後者に当てはまるなら、繁忙期の少ない職場を探す価値があります。求人票の残業時間や決算体制を確認し、自分に合う環境を選びましょう。
▶ あわせて読みたい:経理はきつい・やめとけは本当か|実態と続けるか辞めるかの判断軸
この記事の一次情報源
- 国税庁「法人税の申告(法人税申告書等の提出期限)」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1462.htm
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nen/index.htm
- 日本取引所グループ「四半期決算短信・決算短信」 https://www.jpx.co.jp/listing/disclosure/kessan/index.html
監修・執筆:森岡 祐介(LX Career 編集部)
管理部門(経理・財務・人事・法務)特化の転職エージェント。有料職業紹介事業者として、経理職の求職者支援と求人紹介に従事。決算・繁忙期の働き方や年収相場など、経理キャリアの実務に即した情報発信を行っています。






