📖 この記事でわかること
- SaaS管理担当の仕事内容と、情シスの中での役割の広がり
- IT資産管理・ライセンス棚卸し・コスト最適化の実務の中身
- SaaS管理の仕事に求められるスキルと役立つ資格
- SaaS担当の年収相場・キャリアパス・求人の探し方
「SaaS管理 仕事」で検索したあなたは、情シスやコーポレートITの新しい役割に関心があるはずです。SaaS管理担当は、ここ数年で急速に需要が伸びている職種です。この記事は、20代・30代の情シス経験者に向けて、SaaS管理の具体的な仕事内容と転職のリアルを解説します。IT資産管理の実務からキャリアパスまで、現場目線でまとめました。

SaaS管理担当とは?情シスで急拡大する仕事
SaaS管理担当とは、社内で使う各種クラウドサービスを一元的に管理する役割です。契約・アカウント・コスト・セキュリティを横断して見ます。近年は1社あたりのSaaS利用数が大きく増えました。そのため、管理を専任で担うポジションが生まれています。
また、この仕事は情シスやコーポレートITの中に置かれるケースが多いです。ヘルプデスクや社内SEの延長として任される場合もあります。一方で、SaaS管理を軸にした専任求人も増えてきました。つまり、キャリアの入り口が広がっているのです。
なぜ今SaaS管理の仕事が増えているのか
背景には、SaaSの乱立と「野良SaaS」の問題があります。部署が個別に契約するため、全体像が見えなくなりがちです。さらに、使われていないアカウントに無駄な費用が発生します。そこで、コストとリスクを抑える管理役が求められています。
加えて、情報セキュリティの観点も無視できません。退職者のアカウントが残れば、情報漏えいの入り口になります。したがって、SaaS管理は守りと攻めの両面を持つ仕事だといえます。
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SaaS管理担当の仕事内容【IT資産管理の実務】
ここからは、SaaS管理の具体的な業務を見ていきます。中心となるのはIT資産管理の仕事です。SaaSの契約・アカウント・利用状況を台帳で管理します。地味に見えますが、会社のコストと安全を支える実務です。

ライセンスの棚卸しとコスト最適化
まず、契約中のSaaSと発行済みアカウントを洗い出します。次に、実際の利用状況と照らし合わせます。使われていない席があれば、契約を減らします。この棚卸しだけで、年間コストが大きく下がることもあります。
また、更新時期の管理も重要な仕事です。自動更新の直前に見直せば、無駄な支出を防げます。そのため、SaaS管理担当はコスト意識の高い人が向いています。
アカウント発行・権限管理・セキュリティ対応
入社・異動・退職に合わせて、アカウントを整えます。必要な権限だけを付与するのが基本です。過剰な権限は、事故や漏えいの原因になります。したがって、最小権限の考え方が欠かせません。
さらに、SSO(シングルサインオン)やSCIMの設定も担当します。これらを整えると、管理の手間とリスクが同時に減ります。SaaS管理の仕事は、こうした仕組み化がやりがいになります。
ベンダー調整と社内問い合わせ対応
SaaSの導入や解約では、ベンダーとの調整が発生します。料金交渉や契約条件の確認も仕事のうちです。加えて、社内からの「使い方がわからない」にも対応します。つまり、社内とベンダーの橋渡し役でもあります。
SaaS管理の仕事に求められるスキルと資格
SaaS管理の仕事は、専門知識よりも整理力が問われます。とはいえ、押さえておくと有利なスキルもあります。ここでは実務で役立つ力と資格を紹介します。
役立つスキル
第一に、情報を台帳で整理する力です。表計算やIT資産管理ツールを使いこなせると強いです。第二に、社内外との調整力です。多くの部署とやり取りするため、コミュニケーションが鍵になります。第三に、セキュリティの基礎知識です。権限やログの考え方を理解しておきましょう。
取っておきたい資格
資格では、基本情報技術者が土台になります。ITILを学ぶと、運用管理の考え方が身につきます。クラウド系ではAWSやMicrosoftの認定も評価されます。ただし、資格はあくまで補助です。実務での改善経験のほうが重視されます。
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【実数】管理側の人材は、実際に増えている
「SaaS管理の需要が伸びている」という話は、実数でも確認できます。IPAが公表している情報セキュリティマネジメント試験(SG)の推移です。この試験は、情報を扱う部門側の管理者を対象にしています。
| 年度 | 応募者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 31,322人 | 16,051人 | 56.2% |
| 令和5年度 | 39,824人 | 26,398人 | 72.6% |
| 令和6年度 | 45,481人 | 28,731人 | 69.0% |
| 令和7年度 | 50,226人 | 32,141人 | 70.0% |
応募者数は令和4年度の31,322人から、令和7年度は50,226人へ増えました。3年で約60%の増加です。つまり管理側の役割に取り組む人自体が、急速に増えています。
入口として現実的な資格でもある
もう一つ注目したいのが合格率です。令和7年度は70.0%でした。ほかの区分と並べると、位置づけがはっきりします。
- 情報セキュリティマネジメント:70.0%
- 基本情報技術者:42.0%(令和8年7月試験)
- 応用情報技術者:23.4%(令和7年度)
- 情報処理安全確保支援士:20.7%(令和7年度)
つまりSGは、10人中7人が通る試験です。したがってSaaS管理の入口資格としては、現実的な選択肢になります。
ただし取りやすい分、差別化の材料にはなりません。だから資格そのものより、取得後にどの管理を仕組み化したかを語れる状態にしてください。
年収レンジは「幅が狭い」ことを前提に設計する
あわせて年収の分布も見ておきます。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、運用・管理に近い「その他の情報処理・通信技術者」の所定内給与が、平均37.9万円・中位数34.0万円でした。
一方、上流の「システムコンサルタント・設計者」は平均50.7万円・中位数44.6万円です。年収換算では約610万円と約889万円で、差は約279万円あります。
ここから読み取れることは明確です。SaaS管理は入口として入りやすい一方、そこにとどまると伸びしろが限られます。だから管理から企画・統制へ広げる設計を、最初から持っておいてください。
SaaS管理担当の年収相場とキャリアパス
気になる年収とキャリアの伸びしろを見ていきます。SaaS管理は情シス職の一種として評価されます。経験と役割の広さで、待遇は変わります。

年収の目安
担当者クラスの年収は、おおむね400万〜600万円が目安です。リーダーや企画を兼ねると、600万〜800万円台も見えます。マネジメントやIT全体の統括まで広げれば、さらに上を狙えます。会社の規模やIT投資への姿勢で幅が出ます。
キャリアパスの広がり
SaaS管理の経験は、情シスの中核スキルになります。そこからコーポレートITの企画へ進む道があります。また、DX推進やセキュリティ担当への横展開も可能です。将来的には、情シスマネージャーやCIO候補も視野に入ります。
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SaaS担当の求人の探し方と転職タイミング
最後に、SaaS担当の求人をどう探すかを解説します。求人票の見方と、動くべきタイミングを押さえましょう。
求人票で見るべきポイント
まず、SaaS管理を「専任」で任せる会社かを確認します。ヘルプデスク兼任だと、業務が広がりすぎることがあります。次に、IT資産管理ツールの導入状況を見ます。仕組みが整った会社ほど、成長しやすい環境です。さらに、IT投資への経営の姿勢もチェックしましょう。
転職を検討すべきタイミング
SaaS導入や棚卸しを一通り経験したら好機です。改善の実績を、職務経歴書に書ける段階だからです。また、社内で評価が頭打ちになったときも動き時です。SaaS管理の経験は、他社でも通用する強みになります。
面談現場から:SaaS管理の台帳は「AIが学習していないデータ」になる
ここからは、当社が2026年に実際にお話をうかがったエンジニアの方のケースを紹介します。SaaS管理という仕事の価値が、はっきり語られていました。
社内にしかない情報を集める、という戦略
20代後半で、セキュリティ領域のプロダクトを扱う企業のプロジェクトリードを務めている方です。この方の勤務先では、セキュリティチェックシートを一元管理するデータベースを構築中とのことでした。
その狙いを、本人はこう説明しています。
「AIはオープンな情報からしか答えを出せません。だから、いかにネットにない情報で答えを出すかが強みになると考えています」
この考え方は、SaaS管理の仕事とそのまま重なります。というのも、契約条件・利用実態・権限の設計思想は、どれも社外に出ない情報だからです。
つまりSaaS管理の台帳は、単なる事務作業の記録ではありません。会社の中にしか存在しない、AIが持っていないデータそのものです。
だから求人を見るときは、「何本のSaaSを扱うか」より「その台帳をどこまで意思決定に使っているか」を確認してください。前者は作業量、後者は仕事の価値を決めます。
ただし、その前提は永遠ではない
同じ方は、自分の戦略の弱点も率直に語っていました。
「個人情報や機微情報をAIに渡せない、という前提があるから成り立つ話です。渡せば安全に守ってくれる世界が来たら、破綻してしまいます」
実際、社内ナレッジを扱う仕組みは進化しています。たとえばローカルLLMやRAG検索で、過去の申請履歴から判断基準を生成する構成です。技術的には、すでに射程に入りつつあります。
したがって「台帳を持っている」だけでは、長期の防波堤になりません。その台帳をどう運用ルールと統制に落とすかまで担って、初めて代替されにくくなります。
実務に置き換えると、次のような動きです。棚卸しの結果を出すだけで終わらせず、「この基準を超えたら自動で解約候補に上げる」というルール自体を設計するところまで踏み込んでください。
需要は「作る人」から「判断する人」へ移っている
同じ面談では、採用市場の変化についても話が出ました。ジュニア層の枠が減り、上流レイヤーに寄っているという実感です。
「AIよりちょっと優秀でいよう、という考え方だと時代に飲まれてしまうと思っています」
SaaS管理に当てはめると、意味は明確です。アカウントの発行や棚卸しの集計は、ツールで自動化が進みます。一方で、その権限を認めるか止めるかを判断する役割は残ります。
だから職務経歴書では、管理したSaaSの本数を並べないでください。代わりに、その結果として何のルールを変えたかを書いてください。
SaaS管理の仕事でよくある質問
最後に、SaaS管理の仕事についてよく寄せられる質問をまとめます。
Q. 未経験からSaaS管理担当になれますか?
なれます。というのも、入口はヘルプデスクや情シスの兼任であることが多いからです。そこでアカウント発行や棚卸しを任され、徐々に専任へ移る流れが一般的です。
そのため、まずは情シスの求人を広く見てください。求人票に「SaaS管理」と明記されていなくても、業務内容に含まれているケースは少なくありません。
Q. 事務職に近い仕事だと思われませんか?
書き方によっては、そう見えてしまいます。だから棚卸しの件数ではなく、判断と結果を書いてください。
たとえば「未利用アカウントの基準を定義し、年間コストを約◯%削減」といった形です。この一文があるだけで、事務ではなく統制の仕事として読まれます。
Q. SaaS管理の経験は、次の転職で活きますか?
活きます。とくにコーポレートITやIT企画への異動・転職では強い材料になります。というのも、契約・コスト・権限を横断で見た経験は、企画側でそのまま必要になるからです。
キャリアの広げ方は社内SEのキャリアパス、上流の実態はコーポレートIT転職の記事で扱っています。
Q. どんなツールを触れると有利ですか?
IDaaSとSaaS管理ツールの2系統です。前者はシングルサインオンやSCIM連携、後者は契約とライセンスの可視化を担います。
ただし製品名を覚えることが目的ではありません。むしろ「なぜその構成にしたか」を説明できるほうが、選考では効きます。
Q. 情報セキュリティマネジメント試験は取るべきですか?
入口としては有効です。前掲のとおり合格率は70.0%で、10人中7人が通ります。したがって学習コストと見合います。
ただし取りやすい分、差別化にはなりません。そのため取得後は、実務での仕組み化を1件でも作ってください。
Q. 一人情シスでSaaS管理まで担うのは無理がありますか?
負荷は高くなります。とくに棚卸しと権限管理を手作業で回すと、他の業務を圧迫します。
そのため面接では、管理ツールの導入有無を必ず確認してください。ツールがない場合は、導入提案から任せてもらえるかを聞いておくと安心です。
まとめ:SaaS管理の仕事は「地味だが堅実」なキャリア
SaaS管理担当の仕事は、IT資産管理を軸にした実務です。コスト最適化とセキュリティの両面で会社を支えます。派手さはありませんが、需要は着実に伸びています。情シスやコーポレートITでキャリアを築きたい人に向いた職種です。まずは自分の経験を棚卸しし、次の一歩を考えてみましょう。
✏️ 執筆・監修者
LXキャリア 転職支援チーム
- CA/RA 経験豊富な現役人材紹介のプロ。年間数十件のマッチングを成立
- 人材ビジネスを0→1で立ち上げ、事業としての人材支援の仕組みをゼロから構築
- 情シス・IT・コーポレートIT領域の転職支援実績多数
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