経理・財務

40代の経理転職は可能?61.3%が40歳以上という実数【2026】

「40代経理の転職は難しい」は思い込みです。豊富な実務経験と管理職スキルは確かな市場価値があります。採用意欲の高い企業タイプや年収相場、転職を成功させる戦略を転職支援チームが解説します。

この記事でわかること
・経理 40代 転職の前提が実数と食い違っていること(会計事務従事者の61.3%は40歳以上)
・年収カーブは35〜39歳から40〜44歳でほぼ止まるという事実
・40代は勤続11.6年が平均。つまり転職者は少数派であり、その前提で戦う必要がある
・40代が評価される3つの領域と、応募先の選び方

「40代だと、もう経理の転職は厳しいですよね」

面談の冒頭で、ご自身からこう切り出される方が少なくありません。しかし公的統計を見ると、この前提には修正が必要です。

そこで本記事では、まず年齢別の実数を確認します。次に、40代に何が起きているのかを賃金カーブから読み解きます。そのうえで、評価される領域と応募先の選び方を整理します。

【実数】会計事務従事者の61.3%は40歳以上

まず、経理という職種の年齢構成から見ていきましょう。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種別統計表に、会計事務従事者の年齢階級別データが収録されています。

年齢階級 労働者数 構成比 年収換算 勤続年数
20〜24歳34,850人7.5%353万円1.9年
25〜29歳46,460人10.0%424万円4.4年
30〜34歳48,270人10.4%484万円6.7年
35〜39歳47,450人10.2%536万円9.4年
40〜44歳51,950人11.1%540万円11.6年
45〜49歳62,920人13.5%567万円14.4年
50〜54歳68,410人14.7%567万円17.4年
55〜59歳55,100人11.8%598万円20.8年
60〜64歳32,550人7.0%481万円22.3年

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第5表「会計事務従事者」。企業規模計(10人以上)・男女計。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で当社が算出。構成比は19歳以下および65歳以上を含む全体466,030人に対する割合。

ここで最も重要なのは構成比です。40歳以上の合計は285,870人で、全体の61.3%を占めます。つまり経理は、40代以上が多数派の職種です。

しかも最も人数が多い層は50〜54歳でした。したがって「40代は経理では高齢」という認識は、実態と合っていません。

【実数】年収カーブは40代で止まる

ただし、楽観的な話ばかりではありません。同じ表から、40代に起きている変化も読み取れます。

区間 年収換算の伸び
20〜24歳 → 30〜34歳+131万円
20〜24歳 → 35〜39歳+183万円
35〜39歳 → 40〜44歳+3.8万円
40〜44歳 → 45〜49歳+26万円
45〜49歳 → 50〜54歳+0.8万円

20代前半から30代後半までは、15年で183万円伸びています。ところが35〜39歳から40〜44歳では、わずか3.8万円しか動きません。つまり賃金カーブは40代でほぼ平らになります。

この事実には、2つの意味があります。まず、担当者のまま年齢を重ねても年収は上がりにくいということです。次に、40代で年収を動かすには役職か担当領域を変える必要があるということです。

参考までに、管理的職業従事者の年収換算は約967万円です。担当者層との差は大きく開いています。
👉 あわせて読みたい:経理課長・部長の年収はいくら?管理職の相場を役職・規模別に解説

【実数】年齢が上がるほど、企業規模による差が開く

同じ表を企業規模別に見ると、もうひとつの構造が見えてきます。ここが40代にとって最も実務的な発見です。

年齢階級 1,000人以上 100〜999人 10〜99人 最大差
20〜24歳370万円351万円325万円45万円
30〜34歳564万円486万円416万円148万円
35〜39歳629万円537万円445万円184万円
40〜44歳631万円533万円486万円145万円
45〜49歳618万円592万円508万円110万円
50〜54歳653万円580万円508万円145万円

出典:同上(職種第5表・企業規模別)。年収換算は当社が算出。

20代前半では、規模による差は45万円しかありません。ところが35〜39歳では184万円まで開きます。つまり年齢が上がるほど、どの規模の会社にいるかが年収を決めるようになります。

そして40〜44歳では、1,000人以上が631万円、10〜99人が486万円でした。この145万円という差は、役職ひとつ分に相当します。

大企業では40代で頭打ち、中小ではまだ伸びる

さらに細かく見ると、規模ごとに伸び方が違います。1,000人以上では35〜39歳の629万円から40〜44歳の631万円へ、ほぼ横ばいです。一方、10〜99人では445万円から486万円へ41万円伸びています。

つまり大企業では30代のうちに水準が決まり、中小企業では40代でも上がる余地が残ります。ただし到達点そのものは大企業のほうが高いままです。

ここから導ける戦略は2つです。40代で年収を上げたいなら、規模を上げるか、役職に就くかのどちらかになります。逆に規模を下げる転職では、年収の維持が難しくなると考えてください。

👉 あわせて読みたい:大手企業の経理に転職するのは難しい?採用基準と突破戦略

40代の転職者は少数派である

もうひとつ、勤続年数にも注目してください。40〜44歳の平均勤続年数は11.6年、45〜49歳では14.4年です。

つまり40代の会計事務従事者は、30代前半から同じ会社にいる方が平均像になります。したがって40代で転職市場に出ること自体が、統計上は少数派の行動です。

この点は不利にも有利にも働きます。応募者が少ないぶん競争は緩みます。一方で、採用側は「なぜこの年齢で動くのか」を必ず確認します。だからこそ、転職理由の説明が20代・30代より重くなります。

👉 あわせて読みたい:経理の退職理由|面接で好印象に変えるネガポジ変換例文7パターン

40代経理が評価される3つの領域

では、40代は何を売るべきでしょうか。当社が扱う求人から見ると、評価が集まるのは次の3つです。

領域 求められる理由 示し方
1. 決算を締め切る力期限が動かない業務を回し切った経験は代替しにくい年次決算を何期分、どの範囲まで担当したか
2. 外部対応の経験監査法人・税理士・金融機関との折衝は経験でしか身につかない誰と、何について、どう合意したか
3. 立ち上げと立て直し属人化や仕組みの不在は、経験者でないと直せない何が壊れていて、どう直し、何時間減ったか

逆に、若手と同じ土俵で戦わないでください。スピードや吸収力で比較されると不利になります。むしろ「一人で締め切れる」「外部と話せる」「壊れた仕組みを直せる」という点に絞ってください。

👉 あわせて読みたい:経理の効率化の進め方|棚卸し3ステップと脱エクセルの判断軸/連結決算経験者の転職、狙い目の企業と年収レンジ

40代のいま、いくらが適正なのか

担当範囲と保有資格から、想定年収レンジを90秒で判定します。

📊 90秒で適正年収を無料診断 →

完全無料・面談の強要なし・想定年収レンジの目安がわかります

40代が狙うべき求人の条件

応募先の選び方も、20代・30代とは変えてください。判断軸は3つあります。

軸1:欠員補充か、増員か

欠員補充の求人は、前任者と同じ仕事をすぐ回せる人を探しています。したがって即戦力性が評価軸になり、年齢は相対的に問われにくくなります。反対に増員の求人では、長期の育成を前提にする場合があります。

軸2:上に誰がいるか

経理部長やCFOがすでにいる組織では、40代の入社は「その下」になります。一方、責任者が不在の会社では、入社時から任される範囲が広がります。つまり同じ40代でも、組織の形で立ち位置が変わります。

この点は求人票からは読み取りにくいため、面接で組織図を確認してください。

軸3:企業規模と担当範囲のバランス

大手では領域が細かく分かれ、中小では一人で幅広く担当します。40代で幅広い経験がある方は、中小や成長企業のほうが評価されやすくなります。ただし残業の傾向も規模で変わる点には注意してください。

👉 あわせて読みたい:中小企業の経理に転職するメリット・デメリット完全解説/経理求人の見方|失敗しないチェックポイント10選

経理の隣にあるポジションも視野に入れる

40代で年収を維持したい場合、経理そのものに絞らない選び方もあります。経験が接続する隣接領域を挙げておきます。

ポジション 接続する経験
内部統制・内部監査決算プロセスの理解と監査法人対応。経験者が不足しやすい領域
経営企画・FP&A予実管理と数字の説明。管理会計の経験が活きる
財務資金繰りと金融機関対応。中小では経理と兼務している場合が多い
管理部門の統括総務・人事も含めた運営。中小や成長企業で需要がある

ただし、隣接領域への移動には注意点もあります。経理としての実務から離れる期間が長くなると、経理に戻りにくくなるためです。したがって「戻る可能性を残すか、そこで専門を作るか」を先に決めてください。

👉 あわせて読みたい:FP&A 転職|経理経験者の市場価値とキャリアパス/経理のキャリアパス完全解説|CFOを目指す道まで

40代が書類で落ちる3つの型

応募先を絞り込んでも、書類で止まることがあります。当社が拝見してきた範囲では、原因は次の3つに集約されます。

型1:担当範囲が広すぎて焦点がない

40代は経験が長いぶん、書ける項目が増えます。しかし全部を並べると、何が強みなのか伝わりません。むしろ応募先が求める1〜2領域に寄せ、それ以外は要約にとどめてください。

型2:直近5年の記述が薄い

過去の華やかな経験を厚く書き、直近を数行で済ませてしまう例です。ところが採用側が見たいのは、いま何ができるかです。したがって、直近5年をいちばん詳しく書いてください。

型3:着任後の絵がない

年齢が上がるほど、書類だけで判断される場面が増えます。だからこそ「入社後6か月で何を整備できるか」を一文添えるだけで印象が変わります。会っていない決裁者に向けた説明だと考えてください。

👉 あわせて読みたい:経理の書類選考が通らない原因と改善策/経理の自己PR完全攻略【例文7選+NG例つき】

年収を下げずに動けるか

40代の相談で必ず出るのが、年収の維持です。ここは正直にお伝えしています。

前掲のとおり、40〜44歳の年収換算は540万円、45〜49歳は567万円でした。現職がこの水準を大きく上回っている場合、同じ担当範囲での維持は難しくなります。したがって、維持を狙うなら担当領域を広げるか、役職を上げる必要があります。

なお、これらは会計事務従事者という区分の統計値です。総務省「日本標準職業分類」では、この区分に現金出納事務員や預貯金窓口事務員も含まれます。つまり経理職とぴったり一致するわけではありません。個別の相場は担当範囲によって変わります。

👉 あわせて読みたい:経理転職の年収交渉を成功させる5ステップ/経理の平均年収は?中央値・企業規模別の実数データ

40代の経理転職に関するよくある質問

Q1. 40代で未経験から経理に入れますか

実務未経験からの参入は、年齢が上がるほど難しくなります。ただし、隣接領域の経験があれば話は変わります。たとえば財務、経営企画、監査対応の経験は接続できます。まずは自分の経験のうち、どこが会計に触れていたかを洗い出してください。

Q2. 40代で資格を取る意味はありますか

目的次第です。応募要件に資格が書かれている求人を狙うなら意味があります。一方、加点目的で難関資格に挑むのは、40代では時間対効果が下がります。
👉 あわせて読みたい:経理の資格ロードマップ|段階別に何をいつ取るか

Q3. 転職回数が多いと不利になりますか

回数そのものより、各社で何を積み上げたかが問われます。とくに40代では、担当範囲が広がってきた流れを示せるかが分かれ目です。反対に、同じ範囲を繰り返しているだけだと説明が難しくなります。

Q4. 何歳まで経理の転職は可能ですか

統計上は60〜64歳でも32,550人が就業しています。ただし年収換算は481万円で、50代後半の598万円から下がります。年齢別の全体像は別記事で扱っています。
👉 あわせて読みたい:何歳まで経理転職はできる?年齢別の転職成功率と攻略法

Q5. 40代で年収を上げる転職は現実的ですか

前掲の実数でいえば、規模を上げるか役職に就くかの2つに絞られます。同じ規模・同じ担当範囲での横移動では、年収はほぼ動きません。したがって、応募先を選ぶ段階で狙いを決めておく必要があります。

Q6. 面談ではどんな話をするのですか

40代以降の方とは、条件の優先順位を必ず整理します。実際に「年収を取るか職種を取るか」という二択に直面された方もいらっしゃいました。具体的な面談事例は別記事にまとめています。
👉 あわせて読みたい:年齢別の経理転職|面談現場で語られた実際の判断

まとめ|40代は「多数派」だが「転職者は少数派」

経理 40代 転職を考えるとき、押さえるべき事実は3つです。まず会計事務従事者の61.3%は40歳以上であり、40代は高齢層ではありません。

次に、年収カーブは35〜39歳から40〜44歳でほぼ止まります。つまり担当者のままでは年収が動きません。そして40代の平均勤続年数は11.6年であり、転職市場に出ること自体が少数派の行動です。

だからこそ、若手と同じ土俵で戦わないでください。締め切る力、外部対応、立て直しの3つに絞って示すことをおすすめします。まずは担当範囲の棚卸しから始めましょう。

👉 あわせて読みたい:経理の仕事大全|年収・残業・資格を実数で総覧/経理の職務経歴書 書き方|通過率を上げる5つのコア要素と例文

📊 90秒で適正年収を無料診断 →

完全無料・面談の強要なし・想定年収レンジの目安がわかります

LINEで転職相談する

※ 相談・登録は完全無料です

📌 この記事の一次情報源

  1. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第5表(会計事務従事者の年齢階級別の賃金・勤続年数・労働者数)、職種第1表(管理的職業従事者)
  2. 総務省「日本標準職業分類」中分類26 会計事務従事者(区分に含まれる職業の範囲)
  3. 当社が2026年に扱った経理・管理部門の求人および候補者面談の記録(評価される領域の整理は当社の見解であり、公的統計にもとづくものではありません)
まずはあなたの
市場価値を知ることから。

たった90秒であなたの可能性が
見えてきます。

年収診断をはじめる 90秒で完了 LINEで相談する 24時間以内にご返信
年収診断をはじめる LINEで相談