この記事でわかること
・経理 転職 第二新卒の年代は、統計上もっとも賃金が増えやすいこと(20〜24歳は50.5%が増加)
・20代前半の経理は34,850人で全体の7.5%しかいないという母集団の構造
・20代前半は企業規模による年収差が45万円しかない。だから最初は規模で選ばなくてよい
・短期離職の説明を3段構成で組み立てる方法
経理 転職 第二新卒を考えているものの、短期で辞めたことや未経験であることに不安を感じている方に向けた記事です。
※会話は、面談でよくいただくご相談をもとに再構成しています。
新卒で入った会社を2年で辞めてしまって。経理は未経験ですが、今からでも間に合いますか。
LXキャリア
そのご相談は、面談でもよくうかがいます。公的統計を見ると、20代前半は転職で賃金が増えた方の割合がもっとも高い年代なんです。不安の中心は「短期で辞めたこと」と「未経験であること」だと思うので、ひとつずつ整理しましょう。
そこで本記事では、経理 転職 第二新卒というテーマを公的統計から確認していきます。まずこの年代の位置づけを押さえ、次に入口の選び方と短期離職の説明の組み立て方を整理します。つまり感覚論ではなく、実数から出発しましょう。
【実数】20代前半は、もっとも賃金が増えやすい年代
結論から述べます。転職によって賃金が増える割合は、20代前半が最も高くなっています。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」では、転職入職者の賃金変動を年齢階級別に集計しています。
| 年齢階級 | 増加 | うち1割以上の増加 | 変わらない | 減少 |
|---|---|---|---|---|
| 19歳以下 | 48.8% | 27.9% | 34.9% | 11.9% |
| 20〜24歳 | 50.5% | 38.5% | 31.5% | 16.8% |
| 25〜29歳 | 46.3% | 37.9% | 23.1% | 29.2% |
| 30〜34歳 | 46.1% | 36.0% | 29.1% | 24.2% |
| 40〜44歳 | 45.9% | 33.2% | 23.7% | 29.0% |
| 55〜59歳 | 27.4% | 17.3% | 33.6% | 36.6% |
| 全年齢計 | 40.5% | 29.4% | 28.4% | 29.4% |
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合。全産業の転職入職者が対象であり、経理職に限定した数値ではありません。
20〜24歳では、50.5%が転職で賃金が増えています。しかも1割以上増えた方が38.5%を占めます。一方、減少した方は16.8%にとどまりました。
全年齢の計では、増加40.5%に対して減少29.4%です。つまり20代前半は、全体と比べても明らかに条件が良い年代だといえます。ちなみに55〜59歳では増加27.4%に対し減少36.6%で、逆転しています。
ただし注意点があります。この調査は全産業が対象であり、経理職に限った数値ではありません。また未経験職種への転職では、条件が変わる場合もあります。
【実数】20代前半の経理は全体の7.5%しかいない
次に、経理という職種の中での位置づけを確認します。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から、会計事務従事者の年齢別データが取れます。
| 年齢階級 | 労働者数 | 構成比 | 年収換算 | 勤続年数 |
|---|---|---|---|---|
| 19歳以下 | 3,120人 | 0.7% | 260万円 | 0.9年 |
| 20〜24歳 | 34,850人 | 7.5% | 353万円 | 1.9年 |
| 25〜29歳 | 46,460人 | 10.0% | 424万円 | 4.4年 |
| 30〜34歳 | 48,270人 | 10.4% | 484万円 | 6.7年 |
| (参考)40歳以上の合計 | 285,870人 | 61.3% | ― | ― |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第5表「会計事務従事者」。企業規模計・男女計。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で当社が算出。
会計事務従事者466,030人のうち、20〜24歳は34,850人で7.5%です。一方、40歳以上は61.3%を占めます。つまり経理は、若手が相対的に少ない職種です。
この構造は、第二新卒にとって追い風になります。なぜなら企業側は、年齢構成の偏りを是正したいという動機を持つからです。実際、当社が扱う求人でも「若手を採って育てたい」という要望は継続的にあります。
20代前半は企業規模による差が45万円しかない
もうひとつ、入口選びに直結する事実があります。同じ表を企業規模別に見ると、20代前半では差がほとんどありません。
| 年齢階級 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 | 最大差 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 370万円 | 351万円 | 325万円 | 45万円 |
| 25〜29歳 | 482万円 | 420万円 | 370万円 | 112万円 |
| 35〜39歳 | 629万円 | 537万円 | 445万円 | 184万円 |
出典:同上(職種第5表・企業規模別)。年収換算は当社が算出。
20代前半では45万円だった差が、35〜39歳では184万円まで開きます。したがって、最初の一社を規模で選ぶ意味は小さいといえます。むしろ「どこまで任せてもらえるか」で選ぶほうが、後の伸びにつながります。
最初の一社は、やはり大手を狙ったほうがいいのでしょうか。
LXキャリア
20代前半では、1,000人以上の企業と10〜99人の企業の年収換算の差は45万円でした。ところが35〜39歳では184万円まで開きます。だから最初は規模より、どこまで任せてもらえるかで選ぶほうが、後の伸びにつながりますよ。
最初の一社は、任される範囲で選べばいいんですね。
第二新卒が最初に決めること|入口をどこにするか
経理に入る道は1つではありません。それぞれ得られるものが違います。
| 入口 | 得られるもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 中小・成長企業の経理 | 早い段階で月次から年次まで一通り触れる | 教育体制が整っていない場合がある |
| 大手企業の経理 | 仕組みが整っており、基礎を正確に覚えられる | 担当範囲が細かく、全体像が見えにくい |
| 会計事務所・税理士法人 | 複数社の決算に短期間で触れられる | 事業会社の経理とは業務の性格が異なる |
| 派遣・契約からの入社 | 実務経験の空白を作らずに済む | 正社員登用の条件を書面で確認する必要がある |
第二新卒の場合、私は中小・成長企業の経理をおすすめすることが多くあります。理由は、担当範囲が広く、3年後に語れる経験が増えるためです。前掲のとおり、この段階では規模による年収差も小さくなっています。
👉 あわせて読みたい:中小企業の経理に転職するメリット・デメリット完全解説/税理士事務所から経理転職できる?経験の活かし方と転職先の選び方
短期離職の説明を3段構成で組み立てる
ここが第二新卒に固有の論点です。面接では必ず「なぜ短期間で辞めたのか」を聞かれます。
採用側が確かめたいのは、反省の言葉ではありません。同じことが自社でも起きるかどうかです。そこで、次の3段で組み立ててください。
| 段 | 話す内容 |
|---|---|
| 1. 事実 | 何が起きたかを、評価を交えずに述べる |
| 2. 判断 | そのうえで自分は何を考え、どう動いたか |
| 3. 次の基準 | 同じ事態を避けるため、次はどこを確認して選ぶか |
とくに3段目が効きます。次の基準を語れる方は、同じ理由で辞めないと判断されやすくなるためです。
【実数】同世代は何を理由に辞めているのか
説明を組み立てるとき、同世代の実態を知っておくと立ち位置が見えます。同じ雇用動向調査に、前職を辞めた理由の集計があります。
| 前職を辞めた理由(20〜24歳) | 男 | 女 |
|---|---|---|
| 給料等収入が少なかった | 12.5% | 7.6% |
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 11.3% | 13.6% |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 7.6% | 9.8% |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 6.3% | 3.2% |
| 会社の将来が不安だった | 5.0% | 4.1% |
| 能力・個性・資格を生かせなかった | 1.6% | 3.1% |
| 定年・契約期間の満了 | 8.2% | 8.7% |
| 会社都合 | 2.5% | 5.4% |
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合。この表は男女別に集計されており、男女計の値はありません。上記のほか「その他の個人的理由」が男28.0%・女35.3%を占めます。
ここから分かることが2つあります。まず、収入と労働条件が上位に並んでいます。つまり待遇を理由に辞めること自体は、この年代では珍しくありません。
次に、人間関係は男7.6%・女9.8%であり、想像されるほど多数派ではありません。したがって「人間関係で辞めた」と説明する場合は、より丁寧な補足が必要になります。
なお、これは全産業の転職入職者の集計です。経理職に限った数値ではない点にご注意ください。
避けたい説明の型
一方で、印象を悪くする型もあります。まず前職の批判に終始することです。次に「思っていたのと違った」で止めることです。そして、事実を曖昧にぼかすことです。
とくに3つ目には注意してください。取り繕った説明は、深掘りされたときに崩れます。むしろ事実は素直に述べ、そのうえで判断の筋道を見せるほうが安全です。
短期で辞めた理由を聞かれたら、どう答えればいいのか不安です。
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まずは何が起きたかを事実として伝えて、そのうえで自分がどう考えて動いたかを話してください。とくに「次はどこを確認して会社を選ぶか」まで話せると、同じ理由で辞めないと判断されやすくなりますよ。
事実と判断と次の基準の3つで話せばいいんですね。
👉 あわせて読みたい:経理の退職理由|面接で好印象に変えるネガポジ変換例文7パターン/経理の志望動機、転職でそのまま使える例文8選
第二新卒が経理で採用される理由は「構造」にある
「ポテンシャル採用だから」と説明されることが多い第二新卒ですが、実際にはもう少し具体的な理由があります。当社が求人を扱うなかで感じるのは、次の3点です。
理由1:年齢構成が偏っている
前掲のとおり、会計事務従事者の61.3%は40歳以上です。最も人数が多い層は50〜54歳でした。つまり多くの経理部門で、数年後に退職者が出る見通しが立っています。だからこそ、先に若手を入れておきたいという動機が働きます。
理由2:教える手間が読める
第二新卒は、社会人としての基本的な作法をすでに身につけています。したがって新卒より教育コストが読みやすくなります。一方で、前職の進め方に固まっていない点も評価されます。
理由3:経理は定着しやすい職種である
賃金構造基本統計調査によると、会計事務従事者の平均勤続年数は12.8年です。40〜44歳では11.6年、50〜54歳では17.4年になります。つまり一度入れば長く働く方が多い職種です。採用側から見れば、育てた投資が回収しやすいということになります。
応募前に準備しておく3つ
1. 日商簿記3級、できれば2級
未経験の段階では、資格が実務経験の代わりになります。日商簿記2級はネット試験なら通年で受験でき、2025年度の合格率は32.9%でした。まず3級で土台を作り、2級へ進むのが王道です。
👉 あわせて読みたい:経理の資格ロードマップ|段階別に何をいつ取るか/簿記2級は独学で受かる?合格率15.1%と32.9%の差
2. 前職の経験を経理の言葉に翻訳する
営業でも販売でも、数字に触れた場面は必ずあります。たとえば売上の集計、請求書の発行、経費の申請などです。これらを「どの数字を、どの頻度で、誰に渡していたか」に置き換えてください。
ここを言語化できると、完全な未経験ではなくなります。つまり書類の説得力が変わります。
3. Excelと会計ソフトの下地
実務ではExcelが基本になります。関数とピボットテーブルまで触れておけば十分です。加えて、クラウド会計ソフトの無料プランで画面に慣れておくと、面接での会話が具体的になります。
👉 あわせて読みたい:転職前に身につけておくべき経理スキル5選/20代未経験から経理へ転職できる?成功率を上げる4ステップ
入社後の3年をどう使うか
最後に、入ったあとの話をしておきます。前掲の実数を見ると、20〜24歳の年収換算は353万円、25〜29歳では424万円でした。差は71万円です。
同じ期間に、平均勤続年数は1.9年から4.4年へ伸びています。つまりこの年収差は、経験を積んだことによる伸びだといえます。だからこそ、最初の3年で何に触れたかが後の市場価値を決めます。
優先して触れておきたいのは、月次決算と年次決算です。とくに年次決算に一度でも関わっておくと、次の転職での評価が変わります。反対に、伝票入力だけを3年続けると選択肢が広がりません。
そこで入社後は、担当外の工程にも意識的に手を挙げてください。たとえば決算期に資料の準備だけでも関われば、次の書類に書ける経験が増えます。つまり最初の3年は、任される範囲を広げる時期だと考えるのが得策です。
👉 あわせて読みたい:月次決算のスケジュールと進め方【早期化7つのコツ】/経理3年目での転職は早い?成功する人の共通点と注意点
最初の一社を選ぶ前に、年収の目安を確かめる
それなら、いまの経験や資格で年収がどのくらいになるのか知りたいです。
LXキャリア
たとえば経理の年収診断なら、担当範囲と保有資格から想定年収の目安が90秒でわかります。そのうえで、前職の経験を経理の言葉にどう置き換えるかを一緒に整理しましょう。
まずは自分の現在地を確かめてみます。
第二新卒の経理転職に関するよくある質問
Q1. 何年目までが第二新卒ですか
法律上の定義はありません。一般には新卒入社から3年以内を指すことが多くあります。ただし求人によって扱いが違うため、応募条件の記載を確認してください。
Q2. 資格がなくても応募できますか
応募自体は可能です。しかし未経験の場合、簿記の有無で応募できる求人の幅が変わります。学習中であれば、その旨と受験予定を書いておいてください。
Q3. 転職で年収は下がりますか
前掲の雇用動向調査では、20〜24歳の50.5%が増加、16.8%が減少でした。ただし未経験職種への移動では、いったん下がる場合もあります。したがって、目先の額面より3年後の到達点で判断してください。
Q4. 転職が難しいと感じたらどうすればよいですか
多くの場合、応募先の絞りすぎか、書類の書き方に原因があります。難易度の構造は別記事で分解しています。
👉 あわせて読みたい:経理転職が「難しい」と感じる理由と突破するための具体策/経理の自己PR完全攻略【例文7選+NG例つき】
Q5. 在職中と退職後、どちらで動くべきですか
原則として在職中です。まず収入が途切れないので、判断を焦らずに済みます。また短期離職からの再転職では、空白期間が説明の負担を増やします。ただし心身の負担が大きい場合は別です。そのときは離職を優先してください。なお面接日程は、月初と月末を避けると調整しやすくなります。
まとめ|第二新卒は条件のよい年代である
経理 転職 第二新卒で押さえるべき事実は3つです。まず20〜24歳は50.5%が転職で賃金が増えており、全年齢のなかで最も条件がよい年代です。
次に、会計事務従事者に占める20代前半は7.5%しかなく、若手が少ない職種です。そして20代前半では企業規模による年収差が45万円しかありません。だから最初の一社は、規模ではなく任される範囲で選んでください。
短期離職については、事実・判断・次の基準の3段で説明を組み立てましょう。そのうえで、まず簿記3級から動き始めることをおすすめします。
👉 あわせて読みたい:何歳まで経理転職はできる?年齢別の転職成功率と攻略法/経理の仕事大全|年収・残業・資格を実数で総覧
📌 この記事の一次情報源
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(性・年齢階級別。全産業の転職入職者が対象)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第5表(会計事務従事者の年齢階級別・企業規模別の賃金、勤続年数、労働者数)
- 日本商工会議所「簿記 受験者データ」(2級ネット試験の受験者数・合格率)
- 総務省「日本標準職業分類」中分類26 会計事務従事者(区分に含まれる職業の範囲)
- 当社が2026年に扱った経理・管理部門の求人および候補者面談の記録
