「書類は通るのに、面接になるといつも落ちてしまう。何がいけないんだろう」
面接で結果が出ないと、自分の実力そのものを否定されたように感じてしまいます。しかし実際には、伝え方を変えるだけで結果が変わることがあります。
※会話は、面談でよくいただくご相談をもとに再構成しています。
書類は通るのに、面接になるといつも落ちてしまいます。自分の実力が足りないんでしょうか。
LXキャリア
そう感じてしまいますよね。ただ、書類が通っているなら、スキルより伝え方に原因があることが多いんです。この記事では、落ちる人に共通する型と、採用担当が見ているポイントを整理しますね。
この記事は、20代・30代の経理職で、面接に落ちることを繰り返している方に向けてまとめました。落ちる人に共通する特徴と、採用担当が見ているポイントを解説します。さらに、当社で実施した模擬面接で実際に指摘した改善点も紹介します。
なぜ書類は通るのに経理の面接で落ちるのか
書類と面接では、評価されるポイントが大きく違います。まずはこの前提を押さえましょう。
この違いを意識せずに面接へ臨むと、書類に書いた経歴をそのまま読み上げるだけの受け答えになります。結果として、印象に残りません。
面接官が本当に見ている3つの評価軸
採用担当が面接で確認したいのは、主に次の3点です。
- 入社後すぐに任せられる即戦力性
- 前職の成果を自社で出せる再現性
- チームに長くなじめる定着性
書類はスキルの事実を示す場です。一方で面接は、その事実をどう伝えるかで評価されます。だから、経歴が同じでも面接で差がつきます。
同じ実務経験を持つ候補者を比べたとき、合否を分けるのはこの伝え方の差です。つまり伝え方を磨くことは、実務スキルを磨くのと同じくらい価値のある投資になります。
「経理 面接 通らない」人が見落とす前提
経理は正確さが問われる仕事です。しかし面接では、正確さだけでは伝わりません。正確さは大前提であり、その先にある「どう業務を改善してきたか」まで語れて初めて差がつきます。
さらに面接官は、あなたと働く場面を想像しながら聞いています。つまり受け答えそのものが、仕事ぶりのサンプルになります。ここを意識できないと、経理の面接が通らない状態が続きます。
なお、書類の段階でつまずく場合は、経理の書類選考が通らない原因と改善策もあわせて確認してください。
経理の面接でよく落ちる人の特徴【実務・スキルの伝え方】
まずは、実務の語り方でつまずくパターンです。スキル自体より、伝え方が原因のことが多くあります。
それでも、実務の経験はあるのに、うまく伝わっていない気がします。
LXキャリア
「月次をやっていました」だけだと、規模も難しさも伝わらないんです。そこで、目的と工夫、それに数字をセットで話してみてください。たとえば締めの日数をどれだけ短くしたか、という形です。
つまり、作業ではなく成果として話すんですね。
実務を「作業」としてしか語れない
「月次をやっていました」だけでは、面接官に価値が伝わりません。この一言では、担当していた業務の規模も難易度も判断できないからです。
大切なのは、目的と工夫をセットで語ることです。たとえば「月次を5営業日から3営業日に短縮した」と話せば、貢献が一目で伝わります。作業の説明で止まる人は、経理の面接で落ちる典型例です。
数字・規模・裁量を具体的に語れない
経理の実力は、扱った数字の規模で伝わります。同じ「月次決算を担当」という経験でも、扱った金額や件数によって求められるスキルレベルは大きく異なります。
売上規模、担当した仕訳数、決算の範囲を示しましょう。補助として関わったのか、主担当だったのかも重要です。裁量の大きさが曖昧だと、実力を過小評価されます。
使ったソフトや改善経験を棚卸しできていない
使用した会計ソフトやExcelスキルは、即戦力性の判断材料になります。応募先と同じ会計システムの使用経験があると、立ち上がりの早さをイメージしてもらえます。
freeeやマネーフォワード、SAPなど、経験したツールは正確に伝えましょう。加えて、業務を改善した経験があれば必ず添えます。ツール名だけでなく、そのツールで何を改善したかまで語れると説得力が増します。
「見る側」と「作る側」を区別せずに語る
意外に多いのが、関与の仕方を曖昧なまま話してしまうケースです。同じ「決算に関わった」でも、数字をチェックする立場と、論点を潰しながら数字を固める立場では役割がまったく違います。
たとえば海外子会社の決算を扱う場合でも、現地が作った数字を分析して取りまとめる役割と、関係者と調整しながら自ら数字を作る役割があります。職務経歴書の見た目は近くても、実務の位置づけは別物です。
採用側は、募集ポジションがどちらを求めているかを分かったうえで質問します。だから曖昧に語ると、深掘りの2問目で必ず露呈します。自分がどちらの立場だったかは、先に明示してください。
経験を広く見せすぎて、深掘りで崩れる
担当した業務やツールを幅広く並べると、一見すると経験豊富に見えます。しかし面接では逆効果になることがあります。ほとんど関与していない領域まで書くと、そこを聞かれた瞬間に答えられなくなるためです。
また、実際にはチームや外部の専門家と進めた業務を、一人で完結したように読める書き方にするのも危険です。実態と違う前提で質問が進み、途中で話が食い違います。
関与の度合いは、正直に濃淡をつけて伝えましょう。「主担当」「補助」「外部と連携して推進」と書き分けるだけで、深掘りに耐える職務経歴書になります。
経理の面接でよく落ちる人の特徴【姿勢・コミュニケーション】
次に、姿勢や伝え方に関する特徴です。ここは即戦力性以上に、定着性の評価へ直結します。スキル面で高評価でも、姿勢面で懸念を持たれると内定に至りません。
退職理由・転職理由がネガティブに伝わる
不満をそのまま話すと、すぐ辞める人だと見られます。同じ内容でも、伝え方次第で「不満の多い人」にも「向上心のある人」にも映ります。
退職理由は、前向きな目的へ変換して伝えましょう。「残業が多い」ではなく「効率化を追求できる環境で伸ばしたい」と言い換えます。具体的な言い換えは、経理の退職理由を面接で好印象に変えるネガポジ変換例文が参考になります。
志望動機が「経理ならどこでもいい」に聞こえる
どの企業にも当てはまる志望動機は、印象に残りません。使い回しの志望動機は採用担当者から見ると一目で分かり、熱意の低さとして受け取られます。
その会社を選んだ理由を、事業内容や経理体制へ結びつけて語りましょう。「IPO準備に携わりたい」など、具体的であるほど熱意が伝わります。
逆質問が待遇の話ばかり、または用意していない
逆質問は、意欲と相性を示す最後のチャンスです。何も質問しない、あるいは条件面しか聞かない状態は、入社意欲の低さと受け取られます。
残業や給与だけを聞くと、条件目的の印象が強まります。一方で「入社後に期待される役割は」と聞けば、貢献意欲が伝わります。逆質問のストックは、経理転職の面接で使える逆質問20選から準備しておきましょう。
面談現場から:模擬面接で実際に指摘した5つの「落ちる型」
模擬面接って、受ける意味はありますか?
LXキャリア
もちろんあります。というのも、自分では気づけない癖が必ず出てくるからです。実際、ある方の模擬面接では5つの「落ちる型」を指摘しましたが、本人が事前に自覚していたものは一つもありませんでした。順に紹介しますね。
本番前日に模擬面接を行ったときの記録です。指摘した内容は、経理職の面接でもそのまま当てはまります。
型1:「なぜ弊社か」で止まる
志望理由自体は語れていました。ところが「では、なぜ弊社なのですか」と重ねて聞いた瞬間、答えが出てきませんでした。本人も準備不足を認めています。
この質問は、ほぼすべての面接で聞かれます。それでも準備が抜け落ちやすいのは、志望動機を「職種を選んだ理由」で完結させてしまうからです。
対策は単純です。応募先のミッションやパーパスをコーポレートサイトで確認し、自分の経験と接続する一文を用意しておきます。同じ準備が、そのまま逆質問にも使えます。
型2:転職理由がネガティブから始まる
この方は転職理由として、将来への不安と、前職で人員整理を目の当たりにした経験を先に話しました。事実として間違ってはいません。しかし構成に問題がありました。
ネガティブな要素が先に来ると、「ネガティブな理由で転職を繰り返す人」という印象が残ります。実際には、その後にポジティブな動機も語られていました。それでも面接官の記憶に残るのは、先に聞いた話です。
だから順番を入れ替えます。前向きな動機を先に置き、事実としての背景は後ろに短く添える。この並べ替えだけで印象は変わります。加えて、人生観のような長い前置きは省いて構いません。
型3:質問と回答が微妙にずれる
模擬面接の中で、質問の意図とずれた回答が2箇所ありました。本人に自覚はありません。ここが最も注意すべき点です。
面接官はこのズレを、コミュニケーションの癖として見ます。つまり「業務上の指示と違うアウトプットを出す人かもしれない」というリスク評価につながります。
経理は依頼元の意図を正確に汲む場面が多い職種です。だからこのズレは、他職種より重く受け取られます。結論を先に述べ、質問に答えてから補足する順序を徹底してください。
型4:「強みを3つ」と言って、書類と違う話をする
この方は「強みは3点あります」と予告しました。ところが実際に話した内容と順序は、事前に提出した自己PRと一致していませんでした。
面接官は手元の書類を見ながら聞いています。だから書類と口頭の内容がずれると、どちらが本当なのか分からなくなります。
さらに3点すべてを説明すると時間もかかります。深く伝えたいなら、1点に絞って具体例まで語るほうが効果的です。強みの数は多いほど良いわけではありません。
型5:「えー」が多く、自信がないように聞こえる
冒頭の自己紹介で「えー」が多く出ていました。話しているうちに減り、後半は人柄の良さが伝わる話し方になっています。つまり実力の問題ではなく、立ち上がりの問題です。
本番はさらに緊張します。だからこそ自己紹介だけは、声に出して数回練習しておく価値があります。最初の1分の印象が、その後の質問の温度を左右します。
補足:面接官が無表情でも、不合格のサインとは限らない
この方は模擬面接の直前、別の企業の面接を受けていました。面接官が表情を一切変えず、深掘りの質問もないまま終わり、その日のうちに見送りの連絡が届いたそうです。
本人は、場を和ませることもなく淡々と進み、何を見られていたのか分からない面接だったと振り返っていました。
こうした面接は実際にあります。面接官の経験値や、その日の採用要件の変更など、候補者側でコントロールできない要因も含まれます。
大切なのは、そこで自己評価を下げないことです。無表情だったから自分の話がつまらなかった、と結論づける必要はありません。振り返るべきは、次の章のチェックリストに沿った具体的な項目だけです。
👉 あわせて読みたい:経理の面接で聞かれる10の質問|模擬面接の実例つき/経理の志望動機|例文8選と「なぜ弊社か」の作り方
採用担当が経理の面接で見ている7つのポイント
ここまでの特徴を、採用担当の評価軸から整理します。落ちる人は、この裏側を知らないまま臨んでいます。
スキル面で見られる4つのポイント
- 1. 即戦力性:入社後すぐ任せられる業務範囲
- 2. 再現性:前職の成果を自社で出せるか
- 3. 数字の具体性:扱った規模や裁量の大きさ
- 4. 改善力:業務をより良くした経験の有無
人物面で見られる3つのポイント
- 5. 定着性:長く働き続けられそうか
- 6. カルチャーフィット:社風や価値観の一致
- 7. 伝える力:結論から分かりやすく話せるか
とくに採用担当は、早期離職のリスクを警戒しています。採用と教育にかかるコストを考えれば当然の心理です。だから人物面は、スキルと同じ重みで評価されます。
経理の面接で落ちた理由を次に活かす対策
落ちた面接は、改善のヒントの宝庫です。放置せず、必ず振り返りましょう。記憶が鮮明なうちに整理する習慣が、次の結果を変えます。
落ちた面接を振り返るチェックリスト
面接後は、できればその日のうちに次を確認します。
- 実務を成果とセットで語れたか
- 数字や裁量を具体的に示せたか
- 退職理由を前向きに変換できたか
- 志望動機がその会社向けだったか
- 「なぜ弊社か」に自分の言葉で答えられたか
- 質問の意図とずれた回答をしていないか
- 逆質問を意欲が伝わる形で用意できたか
1つでも欠けていたら、そこが次に落ちないための改善点です。複数に当てはまる場合は、一度にすべてを直そうとせず、優先順位をつけて取り組んでください。
模擬面接とエージェントの活用
自己流の準備には限界があります。話し方の癖や伝わりにくい表現は、第三者に指摘されて初めて分かるものです。
前述の模擬面接で挙がった5つの型も、本人が事前に自覚していたものは一つもありませんでした。だからこそ、本番の前に一度出しておく価値があります。
より根本的な失敗要因は、経理転職で失敗する人の共通原因5つもあわせて確認してください。想定質問への準備は、経理の面接で必ず聞かれる10の質問と模範回答で整えておくと安心です。
👉 あわせて読みたい:経理転職で後悔しない5つのチェック|労基法15条から逆算する/経理の職務経歴書 書き方|通過率を上げる5つのコア要素と例文
面接で、自分の市場価値をどう伝えればいいか迷います。
LXキャリア
たとえば経理の年収診断なら、担当範囲と保有資格から想定年収の目安が90秒でわかります。そのうえで、面接で伝える経験の言葉を一緒に磨き直しましょう。
まずは自分の現在地を確かめてみます。
経理の面接に関するよくある質問
面接で緊張して話がまとまらない場合はどうすればいいですか?
事前に想定質問への回答をメモにまとめ、声に出して練習しておくと緊張が和らぎます。とくに自己紹介は、立ち上がりの印象を左右するため重点的に練習してください。
何社面接に落ちたら方向性を見直すべきですか?
目安として5社以上連続で最終面接前に落ちる場合は、伝え方や応募先の選び方を見直すタイミングです。エージェントに相談し、客観的な視点を取り入れましょう。
面接官の反応が薄いと、その時点で不合格ですか?
必ずしもそうではありません。表情を変えずに進める面接官もいますし、深掘りの有無は面接官の慣れにも左右されます。反応から合否を推測するより、自分の受け答えを振り返るほうが有益です。
オンライン面接特有の注意点はありますか?
対面より表情や声のトーンが伝わりにくいため、相槌やリアクションを少し大きめに取ると印象が良くなります。通信環境の事前確認も忘れずに行いましょう。
まとめ:伝え方を変えれば経理の面接は通る
経理の面接で落ちる原因の多くは、スキル不足ではありません。伝え方にあります。この事実に気づけるかどうかが、次の面接で結果を変えられるかどうかの分かれ目です。
実務を成果で語り、退職理由を前向きに変換する。「なぜ弊社か」に自分の言葉で答え、質問の意図からずれない。これだけで、面接の通過率は大きく変わります。
この記事の一次情報源
- 当社(株式会社LX)が2026年に実施した模擬面接および転職相談面談。掲載にあたり氏名・企業名・職種は伏せ、内容を一般化しています。
- 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(転職者の就業実態・企業側の受け入れ状況)
- 厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)」(調査の概要・目的)
